Sweet Hollywaiiansの海外ライブ

毎日好きなコンサートに行けるとしたら?
暮れにニヤニヤ、Slow Stringsな夜♪@dieci

「何を読もうかなぁ……」と本棚を眺めていて、ふと手に取ってぺらぺらページをめくると、しばらくそのまま立ちっぱなしで読みふけってしまう本があります。「そうだ、村上さんに聞いてみよう」は、間違いなくそんな本のひとつです。

この本には、今は無き村上春樹公式サイト「村上朝日堂」で交わされた、読者との膨大なやり取りの一部が掲載されています。数日前本棚整理をしていて、いつものようにこの本を読み直してしまったのですが、「おっ」となった質問がありました。116ページの「大疑問152 毎日好きなコンサートに行けるとしたら?」です。

村上さんが一週間の間、毎日一回好きなコンサートに行けるとしたら、どんなコンサートを選びますか? 入場料は全部で100万円にしましょう。

大疑問152 毎日好きなコンサートに行けるとしたら? – そうだ、村上さんに聞いてみよう

よくこんな質問思いつくなぁ、と感心してしまいます。質問されている方は、クラシックがお好きなようで、4日間はクラシック。2日間がジャズ。残り1日はビートルズを希望されていました。その中に、「エラ・フィッツジェラルドとジョーパス」のライブがありました。僕もギターの先生に勧められて聴いていたのですが、なんと今ではYouTubeで見れてしまうんですから、ほんとにすごい時代です。

これだけでも嬉しかったですが、村上春樹さんの回答にもっと嬉しいものがありました。春樹さんが一つ目に選んでいたのは、「ビックス・バイダーベックとフランキー・トランバウアーのライブ」だったのです。さすがにライブ映像はありませんが、YouTubeに音源はたくさんあります。

ほんとに素晴らしい音楽ですね……。何度聴いても聴き入ってしまいます。

楽器を習い始め、たくさん知らなかった曲に触れましたが、作曲者や演奏家の名前は「……なんか知ってる」「どこかで聞いた事がある」と思うことがよくありました。きっと本や映画でちょいちょい目にしていたんでしょうね。

で、僕なりに考えてみたのですが、100万円はともかく、7つに絞り込むのが難しい。「あれもこれも」となるのではなくて、今のところそこまで特別な思い入れのある演奏家がいないんですね。数に制限が無ければ、それこそビックス・バイダーベックのライブは見たいですし、先生達が多大な影響を受けているエディ・ラング、カール・クレス、ジャンゴ・ラインハルトなどなど、ジャズギターの開祖達のライブは是非見たいと思いますが。

逆に100万円は出せませんが、ある程度お金を積んでも「見てみたいなぁ」と思うのは、Sweet Hollywaiiansの海外でのライブです。これまた当然のようにYouTubeでいくつかの映像を見ることができますが、日本でのライブとはなんか違うんですよね……。お客さんはも「これは自分たちの音楽だ」と思いながら楽しんでいるように感じられて、観客として越えられない壁を感じます。その反応の影響もあるのか、Hollywaiiansの皆さんと音楽が日本よりしっくりきている気がして、猛烈に羨ましいです。

たくさんある海外ライブ映像の中でも、特にお気に入りなのは「Singin’ the Blues」。僕は初めてのHollywaiiansのライブでこの曲を聴き、こういう音楽を好きになりました。

これまた何度聴いても飽きません。原曲とはまた違った魅力があると思います。

それにしても僕は幸運です。たった3,500円でSweet Hollywaiiansのライブを見に行くことができるわけですから……ということで急に宣伝臭くなりますが、年末恒例の有山じゅんじさんとSweet Hollywaiiansのライブが12月27日(月)に天神橋のdieciで開催されます。年末でバタつく時期だからこそ、いい意味でゆるい、ゆったりとした時間が流れるこのライブを見れば「まあなんとかなるかぁ」ってな感じで、気持ちを楽にしてくれると思います。

Text by pushman

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