TAGAMIの銃カバーをより使いやすくリメイク
ゴム紐ねじ込み理想の銃カバー化

面ファスナー。もしくは、ベルクロ。あるいは、マジックテープ。頻繁に開けたり閉じたりするものによく使われていて、強力にくっつくのに引っ張ればすぐ取れる、安価で便利で手軽な、とても素晴らしい留め具。

それは認めるけれど、狩猟中は剥がす時のバリバリという音が看過できない欠点になる。自分が動いて大きな音を出してしまうのは「……しゃあないしゃあない」と思えるけれど、道具を使うことで音が出るのは断じて許せない。意図しない場所にくっつくこともあり、これも結構イラつく。そして、あまりに便利で手軽過ぎるのか、なんかもっさい。

そんなわけで、自分が使う狩猟の道具についている面ファスナーは炙って使えないようにしている。例外がMSS-20用の銃カバー。移動中にチラリと銃が顔を出してはいけないので、こればっかりはうるさくても、イラついても、もっさくても、ガッチリと封をする必要があるからだ。

しかし、今期は大物との出会いを求めて山に入るようになり、銃カバーを着脱する頻度が増えた。頻度が増えれば我慢できていたこともできなくなってくる。
特に銃カバーを使う時に、意図せず面ファスナーがくっつき、スムーズに銃をしまえないことがメチャメチャ苛つく。

何度か苛つきながら銃をしまううちに、「明日香縫製 猟銃カバー」「Fastガンケースカバー」みたいに、ゴムの収縮力で銃を包み込むようにすれば、もっと手軽に着脱できるのではないかと考えた。
でも、本当にこれが僕の求める理想の銃カバーなのかわからないし、見た目はTAGAMIの方がかっこいい。

どうしたものか思案しながらじっと銃カバーを見つめると、開口部に黒いパイピングがしてあることに気がついた。ここにゴム紐を通せば、理想の銃カバーになりそう。おっかなびっくりパイピングに切り込みを入れて、ゴム紐を通してみた。

ゴム紐を通したTAGAMIの銃カバー
パイピングにゴム紐を通すと未使用時はこんな感じ。

紐を通すためのパイピングでは無いので、それなりに苦労したけれど、思った以上にいい感じ。早速MSS-20に使ってみる。

開口部が下(引き金が見える)した使用方法
開口部から引き金が見える、一般的な使用方法。全く問題なし。ちなみに面ファスナーには要らなくなった下着のゴム部分をくっつけて、どこにもくっつかないようにしている。

……メチャメチャ良い。苦労してゴム紐を通した甲斐があった。
ただ、僕はスリングをスコープ側につけている。スリングを開口部から出すためには、カバーの形状を無視するしかない。そのため、ちょっと窮屈な感じなってしまう。

開口部が上にある使用方法
開口部からスコープが見える、通常とは逆向きの使用方法。両側からスコープに引っ掛けているので、普通に使ったときには無いツッパリができている。

幸い小ぶりなスコープなので、今のところはぴっちりと包み込めている。ゴム紐ではなく、巾着袋のように普通の紐で絞ればさらに安心かもしれない。

今回の工夫はシンプルだけどそれなりにめんどくさくて、でも二度とやりたくないほどでは無い、楽しめる程度の労力だった点も気に入っている。そしてちゃんと役に立つ。やって良かった工夫だった。

TAGAMI 銃カバー

このままでも十分使える、とても良いもの。僕のようにスコープの上側にスリングが来るように使っていると、もう少し高さが欲しくなる。まあでもこれは想定外の使用方法なので、文句は言えない。

購入時の価格 ¥3,240

Update:

Text by pushman

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