1-6x24スコープ(ライト光機)

ライト光機の1-6×24スコープ
MSS-20で巻狩り、忍び猟、クレー射撃も楽しむための万能スコープ

鉄砲のことは何も知らなかったけれど、最初の鉄砲にMSS-20を選ぶのはあまり迷わなかった。見た目という基準があるから。でも、スコープに関しては悩んだ。見た目にそんなに差異がないから。銃砲店におすすめのスコープを尋ねると、どういう状況で使うのか質問された。僕は答えられなかった。大物猟をしたこともないし、山を歩いたこともないので当然だ。だから、やりたいことを伝えた。

僕がMSS-20を所持してやりたいと思っていたのは、大物猟。狙うは鹿と猪。100mを超える遠距離を撃つ気は無いので、高倍率なスコープは要らない。そして忘れてはいけない大事なことが、クレー射撃の練習。MSS-20が一挺目の散弾銃なので、技能講習もMSS-20で受講しなければならない。

こんな条件でお薦めされたのが、ライト光機の1-6×24。「スコープ」という言葉から思い描くスコープの形とはちょっと違う。はっきり言って、変な形だと思った。でもそのうち、なんかシュッとしているように見えてきた。逆にかっこいいかもしれない。そもそもスコープの性能に見た目は関係ないし。ということで、お薦めされるままライト光機のスコープを選んだ。

1倍の強み

僕は巻狩りに参加した5年間で、11頭の鹿を仕留めた。その時のスコープの設定は全て1倍。つまり、巻狩りではスコープを6倍にする機会はほとんどない(たまに設定しても中らなかった)。「1倍でしか獲れてへんのやったらスコープ要らんやん」と言われそうだけど、それはほんとにその通り。巻狩りスコープは必須の道具ではない。でも、メリットもある。

鉄砲は据銃した時に正確に獲物を狙えていないと中らない。スコープ以外の照準器は正確に狙えていなくても獲物は見えてしまう。スコープはちゃんと据銃できていないと、右目の視界が不明瞭になる*1。そんな状況では怖くて撃てない。逆に言えば、ちゃんと見えているなら銃口はしっかりと獲物を捉えている。だから、自信を持って引き金を引ける。

この辺りの話はこれらの記事も参考になると思う。一部の人に限るけど。

1倍に設定したライト光機のスコープ。周辺は少し歪むけれど、獲物を狙うのにはなんの問題もない。

6倍の難しさ

スコープを6倍にして狙う状況というのは、獲物が遠くに現れた時だ。この場合、獲物はこちらに気がついていないことが多いので、立ち止まったりゆっくり歩いていることが多い。そのため、ほぼ静的射撃のように狙い込むことになる。6倍の視界は自分が中てたい箇所がはっきりと見えるけれど、身体の揺れも6倍となり、狙いが定まらない。1倍ならほとんど動かない視界が6倍になるとずっとゆらゆらと動き続ける。時間が経つほど揺れ幅は大きくなり、最初に感じた自信は無くなっていく。そして、完全に自信を無くす前に「えいや!」と撃ってしまう。もちろんそんな撃ち方では中らない。

6倍のまま据銃して大失敗した記録動画。

倍率変更のしやすさ

9期目の猟期初日、久しぶりにスコープを6倍にする機会がやってきた。その時の待ち場は鞍部からトラバースした斜面。ここでは走っている獲物は僕の待ち場の近くを通り、ゆっくりと歩いている獲物は僕が待っている斜面の50mぐらい下の谷を降っていくという、わかりやすい傾向がある。

そろそろ終わりかなと思った頃、勢子から鹿を起こしたと連絡が入った。追っている犬は獲物との距離が近いほどよく鳴く。つまり、激しく鳴いている時は獲物との距離が近い。今は鳴き声が聞こえない。ということは、鹿との距離はそれなりにあるので、鹿は余裕を持ってゆっくり逃げているはず。だから、僕の近くは通らない可能性が高い。しばらくすると、ゆっくりとした足取りで鹿が向かいの斜面に姿を現した。傾向の通り、僕から50mぐらい下を「やれやれ」と言った感じで歩いている。こちらに気づいていない。右目で鹿を見ながら据銃。スコープ越しの鹿を見た瞬間「遠い」と感じた。そして、「小さい」。自信を持てない。だから、引き金を引けない。

一旦狙いを外しスコープを6倍に設定。再び据銃。6倍にしたスコープの中で、顔と首の間ぐらいにレティクルを合わせながら、鹿を追う。ゆっくりスイングしていることで、6倍の視界でも上下の揺れは抑えられている。

大きな木に鹿が隠れそうになる直前、鹿が一瞬歩みを止めた。そう思った時には引き金を引いていて、鹿は直後にどさりと倒れていた。

「遠い」と感じて倍率を6倍にするまでの時間は5秒もなかった。視線を鹿から外さず、つまりスコープを目視することなくスーッとリングを回して倍率変更できた。MSS-20とこのスコープの組み合わせで山を歩くようになって6年。ようやうこのスコープの真価を全て体験し、改めてこのスコープを選んで良かったとしみじみ思った。

このスコープがおすすめな人

このスコープはどういう場所で大物猟をするのかさっぱりわかっていない、つまり、僕と同じような状況の人なら、このスコープを買って後悔することはないと思う。

100m以上の遠射は厳しいかも知れない。でも、それは射撃練習で十分カバーできると思う。もちろん鉄砲の性能も重要になってくるけれど。

クレー射撃は最初は難しいかもしれない。でも、すぐ慣れる。全然問題ない。レティクルのおかげで自分がどこを狙っているのかはっきりわかるし、そうなると外した理由もわかりやすい。個人的には照星やリブ?で狙う方が難しいのではないかと思う。

1倍〜6倍までの倍率は、本州の山なら大抵の状況に対応できると思う。イルミネーションドットも見やすい。上を見ればキリがない光学機だけど、最初のスコープにぴったりの性能、価格な気がする。

ライト光機 1-6×24(チューブ径30mm)

多分僕は、ずっとこのスコープを使うし、壊れたらこのスコープを買い直すと思う。

購入時の価格 ¥68,000

クレー射撃は?

クレー射撃に最適なスコープなんて存在しない。クレー射撃にスコープなんていらない。でも、あっても楽しめるし、安価な動的射撃の練習として、スキートは最適だと思う。

スコープがあってもクレー射撃は楽しめる。

Text by pushman

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