宇崎日新 PRO SQUARE スーパーテンカラ
6:4調子と7:3調子の違い

2年ぶりのテンカラは、とても疲れた。てんから源300をキャストし続けたのに、魚の姿を一切見ることができなかったからだ。解禁後しばらく経ってからの釣行だったし、放流された魚はあらかた釣られて魚はもう居なかったんだと自分を慰めた。でも、後日ルアーでちゃんと釣れた。やっぱりほとんどの場合、釣れないのは自分の力量不足が原因みたいだ。

思い返せばポイントへのアプローチもガサツだった。キャスティングも決まらなかった。だから毛鉤も見失いがちだったし、無駄な力が入って腕が疲れた。2年前にテンカラを始めた当初はキャスティングに苦労したけれど、コツを掴んでからは苦労も疲労もしていない。
どうやら2年のブランクは細かいポイントを忘れるのに十分な時間だったらしい。本や動画でキャストの基本を復習し、忘れていたことを思い出すと同時に、360cmのテンカラ竿が欲しくなっていた。——なぜなのか。

スーパーテンカラとスーパーテンカラで初めて釣ったアマゴ
スーパーテンカラで初めて釣ったアマゴは15cmぐらいのかわいいサイズ。それでもやっぱり嬉しい。

テンカラ大王こと石垣先生は、キャストの説明をする際に「イーチ、ニ」と声に出してキャストしている。「イーチ」がバックキャストで、「ニ」がフォワードキャスト。「てんから源300」は7:3の調子で短いこともあり、バックキャストをより速くする必要がある。「イーチ」なんて悠長に言ってると、「チ」と言う頃には竿は前に行こう(戻ろう)として、キャストができない。そのため、7:3調子の竿の「イチ」はより速く「イッ、ニ」という感じでキャストする。この「イッ」は瞬間的に力を入れるので、長時間続くとなかなかのしんどさになる。
ということで、もう少し楽にキャストをし続けられそうな6:4調子の竿が欲しくなり、竿の反発をより利用しやすそうな360cmの竿が欲しくなったのだ。

この動画と合わせてこの動画この動画で共演者に教えているシーンを見れば、キャスティングに必要な知識は全て手に入る。

6:4調子のキャスティング

選んだのは、宇崎日新のスーパーテンカラ。剣峰てんからSEてんから兄弟など安価な竿にしようかと思ったけれど、渓流釣り、そしてテンカラが大好きになったので、ほんのちょっぴり奮発した。
手に取るとめちゃくちゃ軽い。そして柔らかい。嬉しくてニヤつきながらキャストすると、全く飛ばない。6:4調子であることを忘れて、「イッ、ニ」と振っていた。7:3調子と同じ感覚でキャストしてはダメだ。テンカラ大王の動画を思い出して、そしてこの調子の竿を欲しくなった理由を思い出して、力を抜いて「イーチ、ニ」と竿を振ると気持ち良くラインが伸びて、毛鉤を目指すポイントに運んでくれた。

その後しばらくキャストを続けて、6:4調子のバックキャストの感覚を掴めてきた。「イーチ、ニ」の「チ」と「ニ」が繋がったり十分な間を持たせないと、ラインが後ろに伸び切らないうちに竿の反発で勝手にフォワードキャストが始まってしまう。「イーチ、」の「チ」で竿を12時の位置まで跳ね上げ、「、」でさらに後ろに倒れようとする竿を人差し指でしっかりと受け止めることが重要。
竿の重みをしっかりゆとりを持って人差し指で受け止め、力を抜く。すると、竿の反発でフォワードキャストに自然と移行できる。人差し指と親指をグリップからふっと離せば自然と力が抜けるはず。その時に人差し指で毛鉤を落としたいポイントを指差せば、狙った方向に毛鉤が飛んでいく。

スーパーテンカラと自作の毛鉤
見やすさだけを目的に巻いた自作の毛鉤。こんな適当な毛鉤でも釣れるのがテンカラ。とはいえもっとかっこいい毛鉤を巻きたい……

バレにくい感触

僕の通っている川のアマゴは20cm前後のサイズが多い。25cmにも慣れば「ええやんええやん!」とはしゃいでしまうぐらいだ。というわけで、竿に厳しい環境ではないので大物とのファイトはまだ経験がない。
それでも6:4調子の竿は、7:3調子の竿よりも魚の動きをいなしてくれる感じがあって、掛けてからの安心感は強い。取り込むまで「バレそう」という感覚を持ったことはない。竿を信頼できれば取り込みに集中できるので、良い循環が生まれているような気がする。

スーパーテンカラとアマゴ
20cm程度だけど、ヒレがきれいで満足。渓流釣りで釣れる魚は満足ポイントをたくさん見つけられる。

自分の好みに合ったテンカラ竿

スーパーテンカラはまだまだ僕に馴染んでいない。イラチだからか、意識していないと「イッ、ニ」とキャストしてしまう。もしかすると、この竿の7:3調子を選んでいたら、めちゃくちゃしっくりきていたかもしれない。でも、6:4調子の方がキャストは楽だし、より自然に毛鉤を流せるような気がして、また新たなテンカラ竿をかうとしても、6:4調子を選ぶと思う。

テンカラは安価な竿で十分だと思っていたのにとても気に入ってしまって、宇崎日新の他の竿、ゼロサムロイヤルステージも欲しくなって困っている。

スーパーテンカラとアマゴ
同じく20cm程度。この個体はヒレが残念……はっきり養殖魚とわかるとちょびっとがっかり。

PRO SQUARE スーパーテンカラ(6:4 3608)

軽くて柔らかくて、長時間振り続けても疲れにくい。自然の中でゆったりと釣りを楽める竿だと思う。青と黒の色合いも渋い。

購入時の価格 ¥8,222

参考サイト

私見「竿と合わせ」|吉田毛鉤

Text by pushman

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