ポンプ式エアライフルのデメリットを痛感
2018年度 8回目の出猟

前回ようやくカルガモを仕留めたので、とても待ち遠しかった8回目の出猟。久しぶりに予定時刻に完璧に目覚め、準備も滞りなく進んで意気揚々と出発。「獲れなくても楽しい」のは本当のことだが、獲れるとその何倍も楽しい。今回もその楽しさを味わいたいが、「獲れなくて当たり前」であることを自分に言い聞かせて猟場に向かう。

猟場は時折雨粒を感じる程度の曇天模様。足元は悪いが、いつもはガサガサと鳴る落ち葉の音がしないし、カモの警戒心が普段より緩くなる気がして期待が高まる。

山中池に到着し、いつものようにエースハンターを12回ポンプ。水面を覗くと、ホシハジロが2羽。一瞬で「ホシハジロ」と確認できたのは判別力の向上を感じられてうれしい。ここでほっとせず、木陰になっている場所も丹念に探す。暗くてはっきりわからないが、ホシハジロと比較して明らかに大きいカモらしきシルエットを発見。ホシハジロは悠々と餌を探しているが、この2羽は明らかに警戒している。カルガモのような波状の模様が確認できないので、マガモの可能性が高い。

この時点では確信が持てないので一旦退却し、マガモが少しでも明るい場所に出てくるように祈る。数分後ゆっくりと顔を出すと、まだ木陰にいるもののさっきよりは見やすい位置に移動しており、ようやくマガモと確認できた。

距離は80mぐらいありそうなのでもっと近づきたい。でも、こちらの存在に気がついているカモは、近付こうとする素ぶりを見せるだけで飛び立ってしまう。やっぱりマガモは食べてみたいので、意を決して初の50mを超える遠距離射撃に挑む。

今のゼロイン距離は(おそらく)30m。50m以上はドロップ率が大きくなるので、相当見越さないといけない。80m先を狙うとなると、レティクルの中心からかなり下を狙点にする必要がある。そうするとレティクルの中心にはなにもいないので、とても不安。ついついマガモに狙いつけてしまいそうになるが、ぐっとこらえて引き金を引く。

現在の狙点
現在のレティクルと狙点の関係は、おそらくこんな感じ。80m先の獲物を狙う場合、こんなに上を狙わないといけない。これが正しいとしても、手は常に動いているし、引き金を引く瞬間にかかる力が原因でずれてしまうこともあるので、実際そこに狙いを定めて発砲できているかといえば、大変怪しい。

発砲音がして一瞬の間があり、マガモの上の葉っぱが散る。狙点の設定が下過ぎた。マガモは慌てて羽をばたつかせる。でも、珍しく飛ばない。慌ててポンプを始めたけれど、「ガァ!」という鳴き声とともに、マガモが頭上を飛び去って行った。これまで何度も狙いを外してきたけれど、狙ったのがマガモだったこともあり、初めて「すぐに次弾を撃てれば……」と思った。

気を取り直して先日カルガモを獲った畑中池に移動。なにもいなかったけれど、せっかくなので地形を確認しておこうと土手に上がると、死角になっていた茂みから4羽のカルガモがガァガァ鳴きながら羽をばたつかせる。慌ててケースの中のエースハンターに手を伸ばすが、あっという間に飛び去ってしまった。

自分の成長のなさに意気消沈しながら、もう一度山中池を確認。丁寧に木陰や茂みを双眼鏡で観察しても、もうなにもいない。とぼとぼ歩きながら、カモが隠れていそうなポイントを凝視。

「こういう枝が茂っているところにはよくカモがいるけれど、なかなか見つけられないし、通り過ぎたら飛び立つんだよなぁ……」と思って立ち止まり、双眼鏡で覗いてみると、なにもいないはずの水面から10羽近いカモが突然飛び立つ。まったく見えていなかったのはショックだったけれど、幸い低空飛行のまま対岸に着水。まとまった数、大きさ、そしてこの行動からコガモと判断。

双眼鏡で確認すると、やっぱりコガモ。距離は80mぐらい。風も吹いていて、状況はかなり厳しい。撃ってから着弾するまでの時間と弾道をイメージして、そこに風向きを加える。中るイメージができたのでスコープを覗いて引き金を引く。パァン!という発砲音の後、パシュッという水面に着弾した音。当然コガモは一斉に飛び立つ。でも、すぐに着水。また慌ててポンプをしようとすると、再び飛び立ち今度はそのままいなくなってしまった。

昨年とは違い、今年は最初の猟場についたらすぐにポンプして単発プレチャージ式状態にしている。おかげで発見するとほぼ発砲することができている。しかし、今回のように初撃を外してもターゲットがその場を離れない場合は、やはり5発装填できるプレチャージ式が羨ましくなる。

プレチャージ式とポンプ式で迷い、見た目重視でポンプ式を選んだことは後悔していない。「プレチャージ式に比べてパワーがない」「連射できない」「撃つ度にポンプが必要」といったポンプ式のデメリットは、「獲物に気づかれないようにできるだけ近づく」「初矢で仕止める」などそれを補う行動、技術でカバーすると決意したつもりだった。でも、まだまだ全然覚悟が足りなかったようだ。次からは妥協せず、1mでも近づいてから撃つようにしたい。

Update:

Text by pushman

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