めぞん一刻
楽な気持ちで前向きに

「あんたは絶対好き」と断言されたので、『めぞん一刻』を読みました。「ラブコメ」ですね。「ラブコメ」好きです。当然この物語も好きになりました。こっ恥ずかしくなりながらも、次々とページをめくってしまいました。学生の頃にこれを読んでいたら間違いなく、「あー下宿したい!」と思ったことでしょう。

ストレートな愛情表現に「くさいなぁ」を思いながらもニヤリとしたり、いくつかのセリフは「いいこと言ってんなぁ」と思いながら読みました。20年以上前の漫画なので、いろいろと想像するのが難しい設定も多いですが、その時代にもかろうじて生きていたので状況はわかります。

『めぞん一刻』全10巻(文庫版)

いわゆる「ラブコメ」のラストは読者の期待を裏切ることはそうそうないので、ある程度安心して読めます。形はどうあれ基本的にはハッピーエンドになりますし、そこに至るまでくっついたり離れたり、三角関係になったり、くっつきそうでくっつかなかったり。悪く言えばダラダラ同じ話が繰り返されるわけですが、それでも読んでいて退屈しないのは、魅力的な登場人物しかいないからだと思います。感情移入できるキャラクターもその時の状況で変わりますし、それだけ懐が深いのかなと。
そういえば、「いいなぁ」と思う女性キャラクターも変わりますね。響子さんは基本的に「ええなぁ」ですが、「めんどくせぇ女だなぁ」と思うこともあります。でも、最終的にはめちゃくちゃいいです。五代くんが羨ましい。

この物語の進行と同じようになんとなくダラダラしちゃう時、しちゃっている時に読むと、この物語を羨ましく思いながら「このままではいけない!」と思うはず。でも、「やばい、やばいよ」と焦らせるのではなく、五代くんのように頑張ったり頑張らなかったりしながら、「ちょっとでも前には進めば良いではないか」とゆるく思わせてくれる物語です。

めぞん一刻

読んだら誰だって下宿することを妄想するだろう? 誰だって そーする。おれもそーする。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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