山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記
狩猟の楽しさをおもしろおかしく伝える漫画

2018年05月13日(日)

読書 /

Text by pushman

子どもの頃から本が好きで、今でも興味を持ったものに関する情報の多くは本から得ることが多い。ページをめくる行為が情報を咀嚼する助けになるのか、ネットから得る情報よりも理解が早い気がします。狩猟に興味を持ってすぐに読んだのが、最近狩猟に興味を持った方の多くは読んでいるであろう漫画『山賊ダイアリー』。軽妙に語られる狩猟生活は、狩猟に興味がない人にもおもしろおかしく読めるはず。

『山賊ダイアリー』とエースハンター

この漫画には狩猟を始めるために必要な手続きや費用、そして狩猟にまつわる危険なことや、気をつけなければいけないルールやマナーが描かれています。狩猟を始めてからも参考になる部分が多く、例えば地形図が自分の猟場と似ていたり、狩猟中に気をつけることが身を以て理解できたり、ある種のお手本、教科書として読むこともできます。

狩猟以外にも多く語られるのが、釣りや野草の採取など、自然の近くで生活することの魅力です。山菜を食べ過ぎて腹を壊したり、すっぽんを釣って鍋を食しその出汁の虜になったり、食料を現地調達するキャンプでミドリガメを喰ってみたり、自給自足的な生活への知的好奇心も刺激されます。おかげで僕も釣りや植物にも興味を持つようになり、狭いベランダにプランターを並べてちょっとした栽培と収穫を楽しむようになりました。そのうちすっぽんを釣って食べてみたいとも思っています。この作品を始め、狩猟を描く漫画はおいしそうな描写が多いので、食べられるものは食べてみたいと思うようになってしまいました。もちろん可能であれば自分で獲りたいとも思っています。

動物の命を自ら奪うという行為は多くの人にとって、日常でなかなか体験しにくくなっています。そのため狩猟は特別な行為に思えますが、しばらく続ければ日常の一部になり、特別感はなくなるようです。それを意図しているのか、6巻あたりからおもしろさが少し失速します。何回読み返しても前半は文句なしにおもしろいので、漫画にふさわしいエピソード探しに苦労したのかもしれませんね。猟師としての経験が増えれば失敗も少なくなるでしょうし、そうなれば淡々と動物を仕留めるだけの漫画になってしまいますし。それはそれで読んでみたいですが、狩猟に興味ない人たちがおもしろおかしく読めるようにはならないでしょうね。

狩猟は危険なことやいろいろ気を使うことも多く、この作品に描かれているまま狩猟を楽しめるかというと、そんな恵まれた環境はなかなかないと思います。しかし、狩猟の魅力は十分描かれているので、狩猟に興味を持ったら真っ先に読むべき作品だと思います。