双眼鏡 Kowa YF30-6
視界が広く明るくなる倍率

得体が知れないけれど、安価でそれなりに使える双眼鏡「QUNSE-X21」が壊れてしまった。それなりに気に入っていたけれど、狩猟のおもしろさと難しさを知った今、もっと信頼できるものが欲しい。
倍率は変わらず8倍がいい。そして、もう少し軽量で小さい、携帯しやすいサイズが欲しい。

そう思っていたのに、買ったのは「Kowa YF30-6」。倍率は6倍で、少し重たくて、大きい。

なぜなのか。

Kowa YF30-6

使い方に応じた、適正な価格

20,000円ぐらいで販売されている目当ての双眼鏡があって、ほとんどそれを買う寸前だったのだけど、生粋の貧乏性が邪魔をして購入に踏み切れなかった。

双眼鏡やスコープなどの光学機器は高い方が安心できる。それはわかっているけれど、今まで使っていた双眼鏡は3,399円。値段に比例して獲れるなら喜んで買う。でもおそらく、そんなことにはならない。“費用対効果”なんて無粋な言葉が頭にちらつく。
その結果また同じような、というかほぼ同じものではないかと思われる安価なもの*1にも惹かれ、双眼鏡に20,000円を出す気は完全に失せてしまった。

どうやら僕は、壊したり紛失する可能性が高い道具に、ある金額以上は出せないみたいだ。そういう道具は手荒に扱って傷ついても、「あーッ!」と思わない価格で手に入れて、ガンガンとアグレッシブに使った方がより楽しい。

そんなわけで、自分にとって双眼鏡の適正価格は、10,000円前後だと判断した。

8倍ではなく、6倍

8倍という倍率は、覗いた時に目標を見失う程大きくは見えないし、手振れもそんなに気にならない。一番無難な倍率だと思う。求める人も多いのか、選択肢も多い。

僕は生粋の貧乏性であると同時に、生粋の優柔不断でもある。そして多くの優柔不断者と同じく、多くの選択肢があれば、大抵間違ったものを選んでしまう。最初からある程度絞り込んでくれていたら、正しいものを選ぶ自信はある。そこで6倍だ。
数が限られているので比較しやすく、8倍よりも視界が広い点にも魅力を感じ始めた。MSS-20に積んでいるスコープは1-6倍なので、なんとなく相性もいいように思える。

というわけで、6倍の双眼鏡の中でも安過ぎず、高過ぎないもの3点に絞り込み*2、「YF30-6」を選んだ。

「Kowa YF30-6」と付属品
ストラップは以前と同じくパラコードで自作。着脱が面倒なのと、挙銃の際にちょびっと気になるので、左腕だけを通すようにしている。片腕だけでもブラブラはかなり防げる。

大きく見るより、広く明るく見る

カモ猟、単独忍び猟(まだ全然忍べていないけれど)で使ってみて、この双眼鏡が今まで使っていたものよりも優れていると感じたのは、視界の広さと明るさ。特に明るさにはとても助けられていて、暗い場所に潜んでいるカモを発見するのが早くなった。

6倍という倍率は、遠くのものを大きく見るというよりも、遠くを明るくくっきり見る、という感じだ。
「あれはなに?」とその周辺も見ている時はもちろん、「なにかいないかな……」と池全体をボーッと見回している時にも、視界の中の違和感に気が付きやすくなったと思う。

藪の向こうを見る

山でも池でも、さほど遠くない場所を確認したいのに、藪などに視界を遮られることがよくある。そんな場所をこの双眼鏡で覗くと、まるで一昔前に流行ったステレオグラムみたいに誇張された、嘘くさい遠近感で見ることができる。おかげで藪の中や草木が混み入った場所の前後関係がよくわかり、藪の向こうを把握しやすくなった。

些細だけれど、確実に不満な点

見た目。シルエットは悪くないと思うけど、どこかが野暮ったい。多分、ピント調整ノブの赤い楕円だと思う。かっこよくしようとして空回りしてしまった感じ。
ほとんどの道具を見た目で選んできたので、この野暮ったさにもやもやしている。とはいえ狩猟中にそんなことを気にする余裕はないので、「まあしゃーないか」といった感じで我慢できている。もうちょっと使い込んでくたびれ感が出てきたら、気に入るかもしれない。

「Kowa YF30-6」付属のレンズキャップ
対物レンズのキャップはすぐ外れるので使用時は付けていない。接眼レンズ側のキャップはストラップを通して落ちないようにしている。そのままだとゆるすぎてすぐに外れてしまうので、内側にテープを貼って「外そうと思ったらすぐ外れる」ぐらいの締め付けに調整している。

今期は潜んでいたカモを見落としていない。同行者が見落としたカモだって発見している。今までより獲物に近づけるようになっているし、獲物を見つけたら発砲することはできている(中りはしない)。
3年間の色々な失敗が、僕をほんのちょっぴり成長させたということだろう(そう思いたい)。
でも、この状況を作り出せているのは、間違いなくこの双眼鏡のおかげだと思う。珍しく値段で選んだこの双眼鏡は、お値段以上の働きをしてくれている(猟果と結びついてはいない)。

追記

雨の中の出猟でキンクロハジロを発見。視界が悪かったので念のためYF30-6で確認すると、はっきりとキンクロであることを確認。かなり油断しており全く逃げないので、他の(魅力的な)狩猟鳥がいないか全体を確認すると、小さな島みたいになっている場所で違和感を感じた。そこには微動だにせず雨に打たれているヌートリア。
地味な色で背景(土手)と同化していたのに気がつけたのは、この双眼鏡のおかげだと思う。

「Kowa YF30-6」の商品画像

Kowa YF30-6

型落ちした製品のせいか価格の上下がけっこう激しく、最近は12,000円前後で落ち着いている。お安く買えたのはありがたいことだけど、色が地味な新しいモデルの方がより満足できたかもしれない。10,000円を超えていたら新しいモデルの方がお得だと思う。機能が追加されているし。(それを使うかは微妙だけど)

購入時の価格 ¥8,570

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Text by pushman