ミレー ドライナミック メッシュ ショートスリーブ
巻狩の待ちの必須装備

他人から「おしゃれ!」と言われたことはない人生だけど、自分なりにカッコいいと思うものを身に付けて生きている。もちろん狩猟や渓流釣りでも、「ええやん」と思う服を着て楽しむ。でも、山で遊んでいるとお気に入りの一着がとんでもないもので汚れたり、トゲトゲしいもので引き裂かれたりする。そんなわけで、山の中でのおしゃれは諦めてワークマン製品を愛用するようになった。安くて丈夫だし、財布に優しい。見た目はまあそれなりだけど、誰かに見られることもない。

代わりにお金をかけるようになったのが、インナー。その日の気候や行動予定によって、モンベルのスーパーメリノウール、ジオラインを使い分けている。靴下は厚手のメリノウール。どちらも日常で使っているインナーと比べると、なかなか高価。でも、インナーにお金をかければ山遊びを快適に楽しめるようになる。もっと早く知りたかった。

ミレー ドライナミック メッシュ ショートスリーブ
服のレビューなので着衣している写真を掲載するべきなんだろうけど、この製品に限ってはデメリットにしかならないと思う。

巻狩の待ち場までは大抵の場合距離がある。登山道ではない急な斜面を直登することも多い。直登を避けると当然距離は長くなる。それなりに急ぐ必要もある。つまり、汗をかかないなんてことは不可能だ。それでいて、待ち場についてからは1時間以上そこでじっとしている。場合によっては2時間を超える。メリノウールやジオラインの発汗性能がどれだけ素晴らしくても、汗冷えを防げない。

ある日の待ち場は距離もあってなかなか険しい道だった。気温が高いこともあり、待ち場に到着して移動を止めると汗がじんわり出てきて止まらない。そのうち身体が冷えてきて困った。メリノウールのおかげか数十分後にはかなりマシになったけれど、「……なんか対策せなあかんな」と思う程度には不快な状況だった。

なにか良いものないかなとAmazonを覗いてみると、数年前から気になっていた「ドライナミック メッシュ」がセールで安くなっていて衝動買いしてしまった。選んだのは半袖。汗だくになったのは背中と胸、お腹、つまり胴体だけだったし、ノースリーブでも良かったかもしれない。実際に着てこの判断は正解だったと思う。求めていた機能は半袖で十分満たしているし、脱ぐときに割と気を使うので長袖だとイライラして引き裂いてしまうかもしれない。

巻狩で着用してみると、期待以上の効果。もちろん汗はかく。汗だくにもなる。汗だくになれば汗冷えもする。でも、汗冷えの不快な時間があっという間に終わる。「そういえばさっき汗冷えしてたな」と思う程度。ドライナミックメッシュが汗を吸い、スーパーメリノがその汗を吸い……といった感じで、どんどん上のレイヤーに吸い上げてくれているのだろう。

ドライナミックメッシュだけを着用している姿は他人には見せられないし、自分の姿で半笑いになるけれど、冬山で汗をかくアクティビティを楽しむ人は試す価値のあるインナーだと思う。

ドライナミック メッシュ ショートスリーブ

着た直後は思ったほど変態チックには見えなかったけれど、そのうち「人には見られたくないな」と思う程度に変な格好だと気づく。ゆとりがあるよりは、ちょっと締め付け感があるぐらいが正しく機能を発揮してくれるサイズだと思う。

購入時の価格 ¥3,975

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

  • Instagram
  • YouTube
  • ANGLERS