アイズオブヘブンのバグ
ゲームは不具合を放置しても許されるのか?
ジョジョアニメの楽しみの一つにジョジョ関連のCMがあります。なかでもウルジャンのCMは毎回楽しみ。7部が取り上げられなかったのはちょびっと残念ですが、動く定助と康穂、そして常秀を見られるのは大変嬉しい。しかしこの記事を書く動機となったのは楽しいウルジャンのCMではなく、不愉快なアイズオブヘブン(以下EoH)のCMです。
CM自体は悪くないです。最高に「ハイ!」ってやつになったDIO様がEoHを宣伝し、テレビゲームをやったこともない承太郎が「欲しい……」と呟くだけなのですが「ふふっ」と笑えます。季節外れのカレンダーキャンペーンもまあいいでしょう。僕がイラついたのは、バグ満載のこのゲームをアップデート告知もなく平然と売り続けていることです。
開発会社の社長は「ストーリモードがメイン」と発言をされていますが*1、個人的にはオンライン対戦を一番楽しみにしていました。しかしオンライン対戦にはいろんな不具合があります。自分が体験したものだけでも
- 恐竜ディエゴをロックできない(別の場所をロックする)
- ヴィジョンをロックできない
- スキル攻撃の際にスタンドが出てこず攻撃が当たらない
などがあります。DHAやデュアルコンボフィニッシュを決めたときなどに発生する特殊演出画面に絡んだ不具合が多い印象です。
こういうバグが発生するのはある程度しょうがないと思いますが、改善予定のアナウンスもなくこのまま放置されそうな雰囲気。夏ごろに海外版が発売されるようなので、それに合わせて修正する可能性がないわけではないですが、それまで待てというのも酷い話です。家電製品やPCソフトであれば不具合があれば返品や修正されるものですが、ゲームは放置しても許される業界なんですかね……。販売元、開発元にはウェブサイトから何度か報告してはいるのですが。
こうした不具合放置の姿勢から腹立ちの連鎖が始まり、ゲームの設計にも文句を言いたくなってきます。
真っ先に思い浮かぶのが対戦部屋に誰かが入ってきても通知されない、という不親切さ。通知がないため、待ちくたびれている方が4人揃ったことに気がつかず、なかなか対戦が始まらないことがあります。じっと画面を注視してればいいのでしょうが、オンラインに人がいないので待ち時間が相当長く、そんなことできるわけがないッ! きっと販売会社、開発会社の関係スタッフは発売後オンラインで遊んだことはないのでしょう…と悪態もつきたくなります。
また、このゲームの売りの一つであるキャラクターのカスタマイズも頻繁にロードが発生してイライライライライライラします。これはオースルターバトル(以下ASB)から継承されなくてもいいのに継承されている不愉快なことの一つです。継承されて欲しかったのに継承されていないもの筆頭はトレーニングモードです。これでコンボを見つけたり技の特性を覚えたりするのですが、EoHにはこれがない。初期ASBで散見された永久コンボなどの不具合を発見されたくないからだ、という声もあながち嘘ではないのかもしれません。と思ってしまうんですよね、ここまで放置されると。とにかくこのゲームは「楽しく、心地よく遊ばせよう」という配慮が全然感じられない作りになっています。
僕はそもそもこういうゲームがうまくないので、対戦バランスがおかしかろうがジョジョってだけで楽しめてしまう層です。もちろん勝つために練習したり立ち回りを考えますが、好きなジョジョのキャラクターを自分で操作して戦うのが楽しいのです。その点だけ取り上げればこのゲームにとても満足しています。しかし、ひとたびゲーム全体に目を向けるとまあ次から次に文句が出てきます。とてもじゃないけど誰かにお勧めすることはできません。
数年ぶりに据え置きゲーム機のPS3を買ったのはオールスターバトルを楽しみたかったからです。より快適に遊びたかったので*2、EoHのためにPS4も買いました。普段ゲームをしない層にまで「遊びたい」と思わせるグラフィックや宣伝の力はすごいと思います。しかし今ではゲーム業界に対する印象は最悪です。正確には業界ではなく販売元のバンダイナムコと開発会社のCC2に対してですが。次にジョジョのゲームが出るとしても、この2つの会社が関わっている限り買いたくありません。それでも「ジョジョのキャラクターを自分で操作して遊びたい」という欲求が勝ってしまうと思います。「ジョジョ」の魅力がすごいのであって、ゲームに対して魅力を感じて買うわけではないと自分に言い訳して。
魅力ある「ジョジョ」という物語の力を借りてゲームを作っているという責任を、この2社にはもっと感じて欲しいと切に願います。