チワワちゃん
緩く優しい物語

7つの物語からなる短編集。岡崎京子さんの短編集は他に『エンド・オブ・ザ・ワールド』を読みましたが、その時は「短編集は軽いなぁ」という感想を持ちました。さらっと読めて、心が苦しくなる感覚はあまりなかったんですね。

しかし、この短編集は、いいです。にわかファンの僕が言うのもなんですが、岡崎さんの知らなかった一面を知ることが出来ました。

7つの物語があると書きましたが、どれも素晴らしく読みごたえがあります。2話目の「チョコレートマーブルちゃん」以降はどれも等しく好きです。凄く優しい目線を感じられるのが良いです。『リバーズ・エッジ』から岡崎作品を読み始めた僕としては、触れられたくない所に突然触れられる語り口が大好きなのですが、この短編集にはそういった所はありません。その分、ずっと岡崎作品の根底に流れている優しさを、ストレートに感じることができます。「しんどいだろうけどみんなも頑張ってるから、あんたも頑張れば?」と緩く励ましてくれる物語です。読み終わったら、「そうですよね。とりあえず頑張ってみようかな」と緩い決意ができると思います。

2004年10月24日(日)

読書 /

Text by pushman