雨の日の出猟と獲物の油断
2019年度 9回目の出猟
外で楽しむ趣味の場合、雨は基本的には嬉しくない自然現象だ。でも、釣りや狩猟は雨のおかげで成果が上がることもある。特に鳥撃ちに関してはキジが出やすくなるし、カモも油断していることが多いらしい。天気が悪ければ人も少なくなるし、人が少なければいつもより行動しやすくなる。良いことづくめだ。
しかし、昨年まで電車と自転車で猟場に通っていたので、雨の日に出猟することはなかった。今期は憧れのマイカーを購入したので、雨の日の出猟も問題ない。今年は暖かく天気が良い日が続いたけれど、ようやく雨の日が訪れた。
いつもより少し遅めに出発。自宅付近では曇天だったが、猟場に近づくにつれて小雨となる。道中で池や川に生じている波紋が期待を高めてくれる。猟場に着く頃には本降りとなり、傘が無くては歩けない状態になってしまった。「ちょっと降りすぎではないか?」と思ったけれど、これこそ待ち望んでいた状態だと自分に言い聞かせた。
屋根に落ちる雨粒が立てる音で、車内がうるさい。外に出るのを躊躇するぐらい降っている。この日のために購入したワークマンの合羽をデビューさせようと荷物を探るが見つからない。詰め込むのを忘れてしまったようだ。仕方がないので意を決して車を出た。
いつもは池を覗く前にエースハンターをポンプするのだが、この雨の中でケースから出すのは気が進まない。銃が濡れるだけで嫌なのに、雨が降る中ポンプして悪影響がないのか心配だ。どうせ居ないだろうし、居ても油断しているわけだから、見つけてからポンプすることにして、姿勢を低くして池を覗く。
案の定なんにも居ない。この池には猟期の最初はコガモがよくついていたけれど、付近で散弾の音を聞いて以来見かけなくなってしまった。
びしゃびしゃになりながら立ち上がると、カモの鳴き声。「あっ」と思ってしゃがんだけれど間に合わず、どこからか出てきた10羽以上のマガモが飛び立ってしまった。
「マガモが……」としばし絶句しながら行き先を見守る。
カモが油断しているだろうとウキウキして、わざわざ雨の中出猟して、カモ以上に油断する大失態。雨脚も弱まらないので、結局この日はふてくされながら終了した。
まあとにかく本降りの中出猟したのはいい経験になった。雨の日は間違いなく猟場に変化が起きているし、出会った獲物の警戒心もゆるかったと思う。
問題は獲物以上に僕が油断してしまったことだ。雨が降っていたら濡れることはもちろん、地面もドロドロなので車内も汚れる。なにか獲れたら帳消しになるのかもしれないけれど、なんにも獲れなければ不快なことしかない。ということで、次に雨が降ったら合羽と長靴で出猟しようと思う。
日本野鳥の会 レインブーツ
なんとなく狩猟で使うのは申し訳ない気がするけれど、とても使いやすい長靴なのでおすすめ。軽いし折りたためるので自転車狩猟時代から愛用している。猟果が少ないためあまり使っていないけれど、使った時は「買って良かった」と思えた道具の一つ。