空薬莢で作ったペレットケース
処分しづらい空薬莢を活用する

出猟時に持っていくエアライフルのペレットは20発前後。実際のところ、そんなに撃つ機会はない。とはいえ10発程度だとなんとなく不安になるので、これぐらいが安心できる最低限の数量だと思う。
持っていくペレットの数はしっくりきているけれど、ペレットを持ち運ぶためのケースは試行錯誤している。一番長く使っているのは、「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」で購入した、『スティール・ボール・ラン』のコインケースだ。

『スティール・ボール・ラン』のコインケース
このコインケースは一見革っぽいけれど、もちろんそう見えるだけのよくわからない素材。頑丈な紙かもしれない。

黄金長方形の無限回転エネルギーをペレットに乗せてくれることを期待していたけれど、一向にその気配はないし、正直使いづらい。もっと使い勝手の良い、そして手に取った時にテンションが上がるものが欲しい。

そして思い出したのが先日ヒドリガモを仕留めた際に持ち帰った2つの空薬莢。MSS-20で初めてカモを仕留めたものだと思うと処分しづらく、なにかに使えないかと思って放置しておいて良かった。

空薬莢で作ったペレットケース
一方のシェルの中にペレットを詰め込み、もう一方で蓋をする。コンパクトだしある程度はペレットを保護してくれそう。なんとなく迫力も増す。

雷管を含む金属部分の取り外しはちょっとだけ苦労したけれど、空薬莢が2つあればすぐ作れる。
シェルをハサミで切ったら蓋として使えないので、一所懸命観察して考えて、底の方から熱して引っ張ると、にゅるーんときれいに引き剥がすことができた。使用済みとはいえ薬莢を火に近づけるのはちょっと怖かったけれど、もちろん事故は起きない。

雷管を取ればその穴からペレットを取り出せそうだったので、内側から細いプラスドライバーを突っ込んで叩き出した。できた穴の直径は6mm程度。ペレットの直径は5.5mmなので出てくるけれど、ほとんどの場合引っかかってしまう。不意に出てきても困るので、結局スポンジで穴を塞ぐことにした。
無駄なこともしたけれど、なかなか良い感じの仕上がりになったと思う。

いつもお金を節約するために工夫し、なおかつ使いやすい道具を手に入れようとしているけれど、その試みは大抵失敗している。工夫すること自体が楽しいとはいえ、「無駄なことをした」という徒労感はけっこう精神的に疲れる。今回は珍しく期待した通りの出来栄えで、ちょっとうれしい。そんなに使い勝手が良いとは思えないけれど、それでも。

歴代のペレットケース
歴代のペレットケース。奥のアルミケースは100均で購入したものにフェルトを貼り付けたもの。使い勝手は一番良かったけれど、工夫する欲求を抑えられず試行錯誤を続けている。

工夫の減さん(『権現の踊り子』収録)

工夫で身を滅ぼした男の物語。工夫を楽しんでいる時、いつもこの物語を思い出して微苦笑してしまう。笑えるけれどもほんのちょっぴり切ない、町田康の傑作小品。昔書いた感想

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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