The tee by MLESNA TEA
家のすぐそばに欲しいお店

テレビの世界は地方回帰とでもいうべきか、大物芸能人がローカル番組を持つことが増えてきました。先駆けは浜田雅功と東野幸治の『ごぶごぶ』あたりでしょうか。そのハマタの仲間、ヒトシマツモトこと松本人志も1年前から朝日放送で『松本家の休日』という番組をスタートしています。先日その番組で「紅茶を飲み歩こう」というおよそおっさんにふさわしくない企画があったのですが、そこで紹介されていたのが『ムレスナティーハウス』。かなりユニークなオーナーと紅茶の淹れ方に大変興味を持ったので、先日梅田の『The tee by MLESNA TEA』に行ってきました。

今までこんなに写真が下手くそなことを悔やんだ日はありません。お店で食べ物の写真をパシャパシャ撮るのは個人的に好きになれないので、パシャっと1枚だけ撮ったのですが……魅力を伝えるどころか減点にしかならない写真で本当に申し訳ない。それでも載せたくなってしまうぐらい、このパンケーキと数々の紅茶、お店の虜になってしまいました。

まずこのパンケーキセット、お一人様2,200円です。高い。誰だって高いと思うでしょう。僕だってそう思います。間違いなく高い。今まで食べたパンケーキの枚数を覚えているわけではありませんが、一番高い部類なのは間違いありません。そして、おそらく一番美味しい。「外側パリパリ中はふわふわ」というお決まりの表現になってしまいますが、中のふわふわは「ふわふわ」から得られる語感以上にふわふわしています。そして特筆すべきはシロップ……ではなくキャラメルティーソース。ティーソースです。キャラメルティーを煮詰めて作っているそうで、これが本当に絶品です。濃厚な甘み、なのに全然まったくしつこくない。ビシャビシャにして食べても甘すぎることはありません。ほんとに不思議。かなり人見知りな僕が思わず女性スタッフに声をかけて「これは一体なんですか? どうやって作っているんですか?」と質問した事実から、このソースがもたらす衝撃を推し量っていただければ幸いです。そしてちょこっとついてくるシチリア産のお塩をちょびっとだけ振りかければ、あっという間に塩キャラメルの風味も楽しめます。なくなるのがもったいなくて、久しぶりにちびちびちびちび食べてしまいました。

めちゃくちゃ美味しいパンケーキと紅茶で2,200円。まだちょっと高いと思いますよね。ところが、この紅茶は飲み放題なんです……とはいえ「だからどうした。そんなに何杯も飲めるか」と思いました。そう思いながら、5杯も飲んでしまいました。おいしかったです。まだまだ飲みたかったです。提供されるものは全てフレーバーティー。僕がいただいたのは「白桃」「シナモンと野いちご」「ジャスミンとなにか(大変残念ながらこれだけ聞き取れませんでした)」「メロンとマンゴー」「桜色のパステル」「ジャスミンとマンダリンオレンジレモンメロン」の5種類。全てそれぞれ、大変美味しゅうございました。とはいえ、美味しいだけでは5杯も飲めません。秘密は注いでくれる量。これが本当に絶妙で、1杯の紅茶を2度楽しむのに十分なだけの量なのです。そのままで2口。残りは砂糖(これまた特別な感じでした)を入れて2口。これでカップは空っぽになり、余韻とともに次の紅茶を待つことになります。

入店するまでに1時間程並んだので「ある程度の満足では承知しないぞ」と思っていましたが、期待をはるかに上回る美味しさとサービス。まだまだ飲みたかったですが、行列が一向に短くならないので後ろ髪引かれながら席を立ちました。並んでいる間は「これだけ行列できているんだから、お客もちょっと気を使って早めに出ればいいのに」なんて自分勝手なことを思っていましたが、ゆっくりしてしまうのはしょうがないですね。美味しい紅茶を飲み、パンケーキを食べていると、時間の経過なんて忘れてしまい、いつまでもゆったりとした気分で楽しんでしまうのです。

オーナーのディヴィッド.Kさんは「美味しい紅茶を飲めば幸せになる」と自著に書かれています。「なにを大袈裟な」と思われるでしょうが、ムレスナティーを飲むとそれは間違ってはいないと実感できると思います。いつか本店で周囲をビッシャビシャにしながら作ってくれるティーソーダも飲んでみたいものです。

ART of TEA

お店のテーブルに設置されていた本。当初は興味なかったのにパンケーキと紅茶をいただいた後読みふけってしまいました。

参考サイト

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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