わなフェスティバル
罠を作るか? 鹿の解体を見るか?

僕はどちらかといえば銃猟よりも罠猟に興味があったのですが、罠の仕組みがいまいち理解できていません。そして獣の解体なんてしたことも見たこともありません。たくさんの本やウェブサイトで解説されていますが、やはりこういうのは実際に体験してみないと身につかないと思います。
ということで、狩猟初心者のために罠の作成ワークショップと鹿の解体見学ができるという大阪府猟友会が主催する「わなフェスティバル」に参加してみました。

会場は高槻国際射撃場。参加者は100名を超え、70名以上が罠の作成に参加。学生や若い方もちらほら、年配の方もちらほらといった感じで、幅広い層が集まっている印象。すでに狩猟をしている方もおられ、解体を改めて勉強したいという大変勉強熱心な方もいました。

「わなフェスティバル」で作成したねじりバネを利用したくくり罠

参加費を支払い用意された罠の材料を受け取ってワークショップスタート。お店の方が親切丁寧に作り方を教えてくれますが、70名の作業ペースが合うはずもなくなかなか大変でした。特に使用するバネがかなり強力なねじりバネで、お店の方もしつこいぐらい丁寧に「危ないですよ」と注意を促していましたが、それでも何人かがバネを弾き飛ばして、ほんとに危なかったです。初心者が対象ということはわかっているはずなので、もうちょっと安全な形式のものが良かったなと思います。

そんなこんなで周囲に注意しつつ、わかりにくいところはお互いに相談しながら和気藹々と作業を進めていたのですが、気がつくと別の場所で鹿の解体が始まっていました。どうやら罠のワークショップと同時進行だったようで、それなら最初からアナウンスして欲しかったなと思いました。ということで貴重な解体の見学ができなくなり、若干しょんぼりしながら作業を進め、罠が完成。実際に架設するところも見せていただき、架設時の注意点、アドバイスなども聞きましたが、これはなかなか参考になりました。人から聞いたり本で読んだ知識で、ワイヤーの臭い消しやワイヤーを隠すための工夫や技術が必要だと思っていましたが、お店の方によるとそれらは不要とのことでした。どちらが正解というわけではなく、地域や人によってやり方が違うということなんだと思います。設置場所周辺の獲物の多さなども関係ありそうですね。

その後エゾシカの焼肉をいただいたり、クレー射撃の見学などをしてフェス終了。猟友会の方々が多数来られていたので、銃の所持許可や射撃、そして狩猟に関する質問をしている方もいました。僕も聞きたいことがあったので、「空気銃を所持予定なんですが……」と口にすると、「空気銃かぁ。空気銃ならスズメ、ヒヨドリぐらいやなぁ」といった感じで軽くあしらわれ、ほとんど相手にしてもらえませんでした。空気銃に対するこの反応は、どこかの銃砲店と同じ。どうやら猟友会の幹部といえども、最近の空気銃事情には全く知識がなく興味もないようです。少しは最新の空気銃事情も学び、後進を指導して欲しいなと思います。

ということで、細々文句はあるのですが、僕のようになんにも知らない狩猟初心者なら参加する意味はあると思います。強く勧めるわけではないですが。ただ、罠作成ワークショップよりも、解体を見学した方が後々役に立つ気がしますね。ワークショップといっても市販品をみんなで組み立てるだけなので、自分一人でもできますし。そもそも「わなフェスティバル」なんですから射撃の見学はなしにして、罠の作成と解体見学のどちらも体験できれば、より意味あるイベントになるのではないかと思います。

狩猟生活 2017 Vol.2

「クレイジージャーニー」を始め、いろんなテレビでもお見かけすることが多い罠猟師、片桐さんのインタビューは読み応えがあります。

参考サイト

本物のわなを作成できてジビエ料理も食べられる「わなフェスティバル」取材レポ – GIGAZINE
こちらのレポートでは押しバネを使った罠を作られたようです。個人的にはこっちの方が嬉しかったですね。また、罠を仕掛けた後の処置も随分違います。地域や個人でいろいろ工夫があったりなかったりするみたいですね。罠猟はそういうこと全部がおもしろいと思います。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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