猟場の選定と下見
「狩猟をしたい」と思ったらまずすべきこと

銃の所持許可をいただいたあと、真っ先にやったことは猟場の下見でした。狩猟免許を取って以来の、「狩猟ってどこですんの?」という疑問の答えを見つけるためです。猟場のあてはまったくなく、本やネットからも猟場に関する情報は見つけることができませんでした。今ならその理由はわかりますが、当時はなぜ見つからないのかさっぱりわからず途方にくれました。しかしいくら途方にくれても進展しないので、狩猟は山でするものだろうという安直なイメージを頼りに、山へ行ってみることにしました。

猟場の下見
下見で行った某所。猟場にはなりませんでしたが、こういう場所を歩くこと自体が新鮮で楽しかったです。

僕の近所で猟場になる場所はなく、おまけに車も持っていないので、猟場には電車で向かう予定です。ということで近隣の都道府県のハンターマップを参考に、駅自体が銃禁エリアに含まれていない駅を探しました。それらの駅から徒歩圏内に、川や池、田畑がないかGoogle Mapで探索。「池がたくさんある!」と思ったら大抵ゴルフ場だったりしますが、めげずに探し続けて候補を絞り込み、いくつかの駅に行ってみました。

銃猟が許可されているだけあって、足を運んだ駅は大抵無人駅。電車が通っているので人の行き交いはそこそこありますが、マンションなどの高い建物は視界の範囲になく、「山」「田舎」「自然」という言葉から思い浮かべる情景にかなり近い場所でした。しかし、目当てのカモやキジを見かけることはなく、目撃できた狩猟鳥はカラスとカワウのみ。また、鳥の鳴き声は聞こえても視界に捉えることはできず、ここにきてようやく「山に行けば鳥はいるだろうし、撃てる場所も見つかるだろう」というのが甘すぎる展望だということが理解できました。

結果的にこの時期の下見は狩猟をするということに関してまったく意味はありませんでしたが、今まで鳥を探したことなんてなかったので、獲物を探す気分だけでも楽しかったです。そして、電車で猟場に着いてからの徒歩移動がめちゃくちゃしんどいことがわかりました。実際の狩猟を想定してそれなりの荷物を持っていたのですが、これに銃の重さと周囲への気遣い、警戒が加わるとさらにしんどくなるだろうなと感じます。どうしたものかと悩んでいた時に見つけたのが、同じくエースハンターと電車、そして自転車で狩猟をされている方のブログ(残念ながら現在は閉鎖されています)。その方は猟場まで輪行*1し、しかも短時間で狩猟を楽しんでおられました。幸い数年前に購入したクロスバイクがあったので、輪行に必要な道具を買い揃え、初輪行と同じ日に初出猟。輪行に関しては期待以上。猟場に着いてからの移動はかなり快適でした。特に川の対岸など、ある範囲を動く場合は自転車の方が大変便利です。車で猟場に向かっている人も、可能であれば自転車を持っていた方がいいと思いますし、自分が車を持つことになったらそうするつもりです。

出猟時に使用した自転車
輪行時にできるだけ軽くするために泥除けは装着していませんが、多少の砂利道は問題ありません。最初はリュックも銃も背負っていましたが、あまりにしんどいのでRIXEN & KAULのヴァリオラックを取り付けてリュックを取り付けています。

下見中にはまったく見かけなかったカモですが、初の出猟でカルガモの群れに2度遭遇。しかし遠目だとすぐにカルガモとは判別できませんでした。その後ヒドリガモやコガモの群れにも遭遇しましたが、どちらも確信を持って判別はできません。そんな状態で発砲することはできないので、用意したのが双眼鏡とポケットサイズの図鑑。以降は獲物と言わず鳥を見つけたら双眼鏡で観察し、図鑑で確認。そして改めてじっくり観察。「自分で獲る」という意識を持ちながら観察していたこともあると思いますが、たったこれだけのことが大変おもしろかったです。なんにも獲れませんでしたが。

猟場の下見
カルガモの群れ。茂みに近づくとすでに逃げ始めており、この後一羽二羽と飛び立ち、あっという間にいなくなってしまいました。逃してしまった時はどこに向かって飛んでいくか確認しておきましょう。

僕は銃の所持許可が出るまで下見をしようと思いませんでした。許可が降りなかったら無駄足になると思っていたわけですが、下見が楽しいとわかっていればもっと早く動いていたと思います。グループ猟なら話は違ってくるのかもしれませんが、単独で狩猟をしようと思っている方が最優先すべきことの一つは、猟場の選定と下見だと思います。ということで、狩猟をしたいと思ったらいろいろな手続きを始めると同時に、是非とも自分の狩猟スタイルを想定して下見をしてください。そして、双眼鏡と図鑑を駆使してじっくりと観察してください。一通り観察したら、できるだけ気づかれないように近づき、スマホでもいいので写真を撮ってみましょう。「きれいに撮れたら獲れたと同じ」と考えれば、実戦的な下見になります。……まあ僕は前述のようになんにも獲れていないので説得力は皆無ですが、間違いなく下見は重要です。なにより猟期外でも免許や銃や罠がなくても狩猟っぽいことを体験できるので、「狩猟やってみたいなぁ」と思ったらすぐに下見に行って、擬似狩猟を楽しんでみましょう。

1. 自転車を電車や車に積んで移動すること

狩猟

Text by pushman