Kenko 単眼鏡 10-30倍×21口径
ピントは甘く、視界は暗く、視野は狭い

カモは肉眼でも簡単に見つかるが、判別するために双眼鏡は必要だ。薮の中に潜んでいるキジを見つけるためにもあった方がいい。幸い自宅にスポーツ観戦用の安物双眼鏡があったので使っていたが、獲物との遭遇が増えるにつれ「もう少し明るければ」と思うことが多くなってきた。しかし光学機器の性能は値段に正直なので、悩み続けていた。

ある日の出猟中に片目だけで覗いたことがきっかけで、双眼鏡よりも単眼鏡が自分のスタイルに合っている気がしたので、勢いで購入したのがKenkoの10-30倍×21の単眼鏡。

Kenko 単眼鏡 10-30倍×21口径

単眼鏡はもちろん双眼鏡にも詳しくないので両者の違いを調べてみたが、基本的には双眼鏡の方が使い勝手がいいようだ。2つレンズがあるので遠近感も捕らえやすく、視界も広い。需要も多いためコストパフォーマンスに優れた製品が多い。
単眼鏡の魅力はなんといってもその携帯性。同じ口径の双眼鏡なら大体半分ほどの大きさに収まる。自分の狩猟スタイル(電車+自転車)にとって、荷物の少なさは大変重要な要素なので、上着のポケットに収納できて扱いにさほど気を使わないでいい安価な単眼鏡は、とても魅力的に思えた。

元々あった双眼鏡2つと購入した単眼鏡
購入した単眼鏡と元々持っていた双眼鏡。どちらも8倍固定。左のも青いのが22口径で、真ん中の黒いのが21口径。見た目は黒い方が好きだが、軽くて扱いやすく、若干明るい、そして壊れても惜しくない青い双眼鏡を使用中。

単眼鏡は双眼鏡に比べて少ないが、それでも十分迷う品数。値段の幅も広く、Amazonでは1,000円以下ものから数万円のものまである。狩猟で使うとなると紛失の恐れがあるし、手荒に扱わざるを得ない状況もありそうなので、数万円のものは対象外。1,000円を切るものはさすがに信用できないので、数千円のものから選ぶことにしたが、この価格帯は同じような製品が多く、どれも決め手に欠ける。悩んでいるうちに射撃場に置いてある高倍率のスポッター代わりにもなれば便利だなと欲を出し、8〜30倍の可変ズームに可能性を感じ始めた。
しかし単眼鏡を実際に使ったことがないので見え方がよくわからない。わからないものに高額なお金を出すのは控えたいので、安い製品にばかり目がいくようになって見つけたのがKenkoの10-30倍21口径の単眼鏡。Amazonのレビューでも酷評はされていないし、3,000円を切っていたので勢いで購入。

製品にはケースとストラップ、接眼レンズのキャップが付属。キャップは紛失しやすいので、穴を開けてリングを通してストラップに固定。
片手でつかむとピント調整から先のシルバーの部分が手の平からはみ出すので、カモフラテープで隠蔽工作。おそらく効果はない。

狩猟向けにカスタマイズした単眼鏡
このカモフラテープは粘着性ではなく、極端に弱いベルクロみたいなものなのでベタつかないし、使い回し可能。実際の効果はさておき、工夫している感が楽しい。

早速出猟時に使ってみたが、すぐに失敗したことを悟った。ピントがしっかり合わないのだ(不良品の可能性がなくはないが)。ぼやけるとまでは言わないが、池に浮いているカモの輪郭がくっきりしない。そして、同じ口径の安物双眼鏡と比べると暗い。視界の狭さは覚悟していたが、思っていた以上に狭い。上着のポケットに忍ばせさっと取り出して遠方を確認するのはスマートでかっこよく思えるが、メリットはその程度であった。
ということで、見る対象をはっきりと認識したい狩猟には全く向いていない。スポーツ観戦やお芝居にはいいかもしれないが。今は双眼鏡を物色中。典型的な「安物買いの銭失い」になってしまった。

Kenko 単眼鏡 10〜30×21 mono 最大30倍 21口径 ズームタイプ

狩猟には向いていないが、見たいものが事前に分かっているスポーツ観戦や観劇には使える気がする。

購入時の価格 ¥2,924

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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