多くの獲物と出会うための工夫
2018年度 3回目の出猟
鳥はある程度規則的に行動するらしい。ご飯を食べたり、ボケーっとする時間もある程度決まっているそうだ。そのためカモと自分の行動がシンクロしていると、「この池にはいつもカモがいるな」となるわけだ。となると、いかにもカモがいそうな池にカモがいないのも、同じ理由なのかもしれない。
規則性がどれぐらい正確なのかわからないが、何事も試してみないとわからないので、いつもより少し遅めの時間に出発し、見回る時間をずらしてみることにした。
先日カルガモを目撃した時刻の少し前に、山中池に到着。想定通りカモが1羽浮かんでいる。おそらく先日見たスズガモと同じ個体だと思うが、購入した小さな単眼鏡のピントが甘く判別が難しい。小さいことは大変なメリットだが、それが唯一のメリットとは大誤算。
なんであれ判別が難しい中型のカモは、まだ狙う気になれない。今日は時間をずらしているので、いくつかの有力ポイントに早く行きたい。そんな気持ちで確認がおろそかになっていたようで、とつぜんすぐ近くの茂みから2羽のカルガモが飛び立った。まったく何度目なんだと我ながら呆れかえる。
幸い飛び立たず向こう岸に着水してくれたので、一旦退却して12回ポンプしてカルガモが姿を見せるのを待つ。しかし池から少し離れた場所でなにかの作業が始まり撃ちにくい雰囲気になったので、潔く諦めて出直すことを決意。せっかくのチャンスだけれど、トラブルは極力避けたい。
すり鉢池にも前回カモを目撃した時間帯に到着。これまた想定通りスズガモのような中型のカモが3羽。獲るつもりはないのでどれぐらいまで近づいたら逃げるのかを確認しようとしたが、数歩進んだだけで飛び立たれた。さすがに堂々と近づきすぎたかもしれない。せめてこっそりと近づく練習も兼ねるべきだった。
前回マガモが舞い降りてきた時間帯に山中池に戻ってみると、池に向かう道に車が2台。よく見ると車のそばで年配の男性2人があっちこっち指差しながらしゃべっている。お互いに猟師で情報交換しているようだった。今から池に向かうのか、池から帰ってきたところなのかわからないが、「失礼しますー」と腰を折りながら池に迎える雰囲気ではなかったので、にこやかに挨拶しつつ2人の前を通り過ぎた。
その後も行く先々に人の気配があり、撃てない状況ばかりで、結局いつも通りの時間に帰宅。
今回は獲物との出会いの頻度をあげようとして、結果的に効率の悪い動き方になってしまった。よく考えると狩猟をしているのは自分だけはないので、カモがいくら規則的に動いても、猟師が足を運べば規則は崩れる。結局早起きするしないとかではなく、他の猟師をよりも先にそこにいるための運を持つしかないと感じた。その運を持つためには、猟場により多く足を運ぶしかないので、やっぱり早起きするべきなのかもしれない。