マガモとカルガモに翻弄される日々
2019年度 6回目の出猟

今まで車を借りて出猟していたけれど、ついにマイカーで出猟できるようになった。とても楽ちんで快適だし、気兼ねなく未舗装道路にも入っていける。枝がピシピシと車にあたってもお構いなし(嫌だけど)。2年間電車と自転車で狩猟をしてきたので、車のありがたさが身にしみる。
諸々の手続きで時間を取られてしばらく出猟できなかったけれど、その甲斐は十分あった。

マイカーデビューで真っ先に向かったのは、前回マガモを獲り損ねた池。仕留めてもいないマガモを探して周辺を歩き回ったことで、いつもとは違う視点で池の状況を確認できる場所を発見できた。身を隠しながらアプローチできるので、獲物に気づかれにくいはず。

飛び立つカルガモの群れ
安全地帯のカルガモ。ある距離を保っている限りは観察させてくれるけれど、距離を詰めるとこんな感じで逃げられる。

カルガモ獲るか? マガモを見つけるか?

この池は小さいながらもマガモとカルガモがいることが多い。といっても混在しているのではなく、それぞれのテリトリーは完全に別れている。今まで池を覗き込んでいた場所だと、正面がマガモのテリトリーで、左前方がカルガモのテリトリーだった。新しい場所からは正面がカルガモのテリトリーになり、マガモのテリトリーは右手前方になる。

まず正面を確認すると、2羽のカルガモを発見。期待通りこちらには気がついていない様子。次にマガモのいる場所を確認しようとすると、背の高いボサ繁ってまったく様子がわからない。しゃがんだ状態の視界を確認していなかった。迂闊すぎる。

マガモがいるかもしれない……と思うと、まだカルガモを狙う気にならない。同じ池にマガモとカルガモが居るのなら、狙うのは当然マガモだ。
誰だってそーする。おれもそーする。

なんとかマガモの存在の有無を確認しようとガサゴソしていると、カルガモもソワソワしだした。どうやら気づかれてしまった。当たり前だ。
カルガモとの距離は40m前後。自信を持って狙える距離。しかし、「すぐそこにマガモも居るんじゃあないの?」という期待を消せない。
マガモを確認するか、カルガモを撃つか……と考え、気がつけばビュリダンのロバのように悩んで動けなり、カルガモは飛び去ってしまった。

こうなれば気兼ねなくマガモを確認できる。気を取り直して池を覗き込もうとすると、確認しようとしたその場所からマガモの鳴き声。そして飛び立つマガモ達が視界に飛び込んできた。
静寂と虚無感に包まれながら、念のためまだ残っているカモがいないか確認する。猟期の最初はこんな状況でも他のカモが隠れていることがあったけれど、この頃になるとそんな幸運には巡り合わない。そんな呑気なカモはとっくに撃たれているだろう。

飛び立ったマガモ
青くて上下が白い翼鏡に見えるので、後から逃げたマガモ……のはず。先行するのがオスで後ろがメス。(同行者撮影)

次に向かった池でもカルガモに気づかれず近づき、狙撃ポイントに回り込み、ゆっくりと顔を出して、マガモの群れと鉢合わせ。当然大騒ぎになってマガモが飛び立ち、続いてカルガモも飛び去ってしまった。

予想外だったマガモの群れ
カルガモの群れに気を取られて全く気がつかなかったマガモの群れ。この後大きく旋回し頭上を飛んで行った。MSS-20を持っていたら……。(同行者撮影)

経験不足が生み出す焦り

今になって思えば、最初の池ではカルガモに(おそらくマガモにも)気づかれていなかったんだから、落ち着いてその場を離れていつもの場所に移動し、マガモの存在を確認するべきだった。
「なんか居るかな?」と思いながら近づくのと、狙うべき獲物がそこに居るとわかっている状況で近づくのでは、発砲するまでの時間も心の余裕も全然違う。マガモがいたらマガモを狙えばいいし、マガモがいなければ改めてカルガモを狙うべきだった。

状況は違うけれど、昨年も獲物を選り好みして反省していたような気がする。少しは成長していると思っていたけれど、勘違いだったようだ。

最近は獲物を目にして舞い上がっても、落ち着けるようにはなってきたと思っているけれど、まだまだ冷静ではないのかもしれない。獲物との出会いには恵まれているのに仕留められないことで、獲りたい気持ちがより強くなっている。
もっと獲物を仕留める経験を積めば、獲物を目にしても冷静に状況判断ができるようになるだろう。
これからは見てもいない獲物のことは考えず、目の前にいる、狙うべき獲物を狙おう。

Update:

狩猟

Text by pushman