狩猟で体験したくなかったこと
2019年度 4回目の出猟

3期目の猟期は今までで一番狩猟を楽しんでいる実感がある。まだなんにも獲っていないけれど今までよりも獲物との出会いが多くて、楽しくてたまらない。出会う機会を増やせたのは車を借りて自転車とは比較にならないペースで猟場を廻れているからだ。狩猟をするならやっぱり車はあった方がよかったのだ。まあ、当たり前のことなんだけど。

車で出猟すると、昨年やってみた狩猟の雰囲気体験ツアーもとてもやりやすい。車がなければ徒歩で移動するしかなく、狩猟の雰囲気を体験できる時間が短すぎた。ということで、今期は車を借りて狩猟の雰囲気体験会をやってみた。

猟場で見かけたカラスの群れ
いつか食べてみたいカラス。

まずは前回マガモとカルガモがいた池に到着。この日のハイライトになる可能性もあるので、同行者にも慎重な行動をお願いする。しかし、この日は不発。丹念に双眼鏡で探してみたけれど、なにもいない。同行者が期待に満ちた顔でこっちを見ているので、首を振りながら「なにもいません」と伝え、あーだこーだと前回のマガモとのやりとりを説明していると、後で「グェグァ」と声が聞こえたと思ったらカルガモ2羽が飛び立った。いつものように呆然としかけたけれど、ここは毅然と振る舞い、「すみません。見つけ損なったようです」と謝罪した。

その後も出会いには恵まれ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモなどと遭遇。もう狩猟の雰囲気は十分体験してもらったので、そろそろ狩猟を体験してもらいたい。というか、僕も2回しか体験していないので、そろそろ体験したい。

猟場で見かけたコガモの群れ
銃禁エリアではないけれど、ちょっと撃てない場所にいるコガモの群れ。そういう場所なので、近づくと距離を取る程度で飛び立たないことが多い。

いつもとは違う感覚

移動範囲が広がったので、初年度に犬に吠えられまくってビビり倒し、それ以来足を運んでいない池に向かう。車なら犬に吠えられにくいし、噛まれることもない。本当に車は便利だ。

その池はよくある三角形の池で、底辺と右辺からは容易に近づけるけれど、左辺は山側で急勾配になっている。底辺側から水面を確認するが、なにもいない。慌てずじっくりと左岸の木の下を確認すると、2羽のカルガモが木陰から姿を表した。距離は50mほど。

結果論かもしれないけれど、いつもとは違ってしっかりと落ち着き、「中る」と確信を持って引き金を引いた気がする。
パンッ!という乾いた発砲音。ほんの一瞬遅れて羽ばたくカルガモ。1羽は飛び立ち、1羽は飛び立てない。しかし、羽を激しくばたつかせてくるくるその場で回っている。昨年も見たこの光景……半矢にしてしまったようだ。

半矢のカルガモの捜索

しばらくその場を回り続けたカルガモは、自分が飛べないことを理解すると茂みに向かって泳ぎ始めた。二の矢を撃とうと思ったけれど、ポンプしている間に見失うことを恐れて双眼鏡で行方を見守ることにした。
昨年半矢にしてしまったコガモ同様、時間がかかっても隠れたポイントをしっかりと把握していれば今回も発見できるはず。

隠れたポイントを同行者に伝え、引き続き監視をお願いする。そして、長靴に履き替えて右岸からポイントをめざす。しかし木が邪魔して先に進めない。仕方がないので険しい左岸から回り込む。傾斜がきつくて少し怖いけれど、しっかりと根が張っている木を頼りにガンガン進む。
ようやくポイントにたどり着いたけれど、カルガモは見当たらない。でも、まだ近くにいるはず。そう信じて、落ちていた枝で茂みや水面を叩き続ける。

ようやくカルガモが飛び出したのは、木を掴まなければ立って入らないような場所。そんな場所なので銃を構えられず、タモ網を取り出すこともできない。しばらく泳いでいたカルガモは突然潜り、それからどこにも浮上しなかった。潜ったまま絶命したとは考えにくいけれど、僕と同行者が見ていた範囲にはカルガモは浮上していない。

その後1時間近く探し続けたけれど結局見つけられず、その池を後にした。申し訳ないというよりも手に入れるべき獲物を逃してしまったという気持ちが強く、諦めるのは難しかった。

半矢にした後

今思えば、半矢だと認識した時点で二の矢を撃つ準備をするべきだった。カルガモが姿を消すまでに、ポンプして狙いをつける時間は十分にあったはずだ。それなのにポンプ式は二の矢に時間がかかるということを意識しすぎていた。昨年半矢にしたコガモを捕まえられた経験も、間違った判断をした原因だと思う。
追い出しに成功したあとも無計画すぎた。今回のように半矢の獲物が隠れる場所は、撃ちにくかったりタモ網を使いにくい可能性が高い。となると追い出してもどうしようもない。

しばらくは「しょうがないか……」ぐらいの落ち込みだったけれど、帰宅後はそれなりに憂鬱な時間を過ごすことになった。射撃が下手なくせに一発しか撃てないエースハンターを使っているのもダメな気がして、すぐに二の矢を撃てるプレチャージ式を持つことも考えた。豊和精機さんも次のツイートを読んで、ますますその気持ちは強くなった。

でも、やっぱりエースハンターが好きだし、エースハンターで獲れるようになりたい。だからこそ一発で仕留められなかった時の対処は、もっと考えなければいけない。

今回は同行者にも申し訳ない体験会になってしまった。半矢にしてしまうことは狩猟において避けれらないことの一つだと思ってはいるけれど、半矢にした後の判断を間違えたし、準備不足だった。
普段は一人だし、前回や今回のように同行者に監視をお願いすることもできない。その対策として、一人の時でも茂みに隠れたカモを追い出せるよう、水陸両用のラジコンを購入した。地上では60m、水上では30mまで離れても動くらしい。とにかく騒々しい音を出して動き回るので、追い出しに役立ってくれるのではないかと期待している。……もちろん追い出しが必要な事態にならないことが、一番いいんだけど。

水陸両用ラジコンカー

ラジコンボートは高いし操作が難しそうなので水陸両用のラジコンを選んだ。陸上ではそれなりのスピードが出る。水上ではゆっくりとしか進まない。どこを動いていてもとてもうるさいので、茂みに隠れたカモが驚いて飛び出してくるのではないかと期待している。ほんとに防水されているのか不安だけど、タイムセール価格だったので覚悟を決めて購入。

購入時の価格 ¥2,469

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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