Red Dead Redemption 2(RDR2)
ストーリーを進められないおもしろさ
このゲームのことは全く知らず、たまたま見かけたネットの紹介記事に狩猟シーンがあったので興味を持った。時代設定は1899年。それがどういう時代なのかピンとこないが、西部開拓時代の末期、アウトローが生きにくくなりつつある時代らしい。
購入して2週間ほど経ったが、120%堪能中。最近では当たり前なのかもしれないが、映像が美しい。時代設定のおかげで高い建物がほとんどなく、視界は常に高く広いせいなのか、実際には見たことがない景色だからなのか、とにかくとてもリアルに見えて高い没入感を得られる。
町と自然の境界はあいまいで、移動中にもたくさんの野性動物を見ることができるし、その動物を獲ることもできる。野草の類もたくさんあり、憧れの狩猟採集生活をゲームで楽しめるとは思わなかった。
大変自由度の高いゲームで、大抵の場合どこにでもいけるし、侵入不可能な建物でもなんらかの方法で入れる気がしてくる。行動の自由度も高く、例えば同じオープンワールドの「龍が如く」では、主人公である桐生の人格や生き方が決定されているため、街の人を自由に攻撃することはできない。「RDR2」の主人公アーサーはギャング、ならず者という設定であり、人格もほとんど決まっていないので、いきなり殴ったり撃ったり強盗することもできる。
もちろん一般人を突然襲ったりすれば相応のペナルティがある。悪い行いが蓄積すると指名手配され賞金稼ぎに付け狙われるし、法執行官にも追い回される。場合によっては近隣の町が封鎖され、施設を利用できなくなる。
各行動は「名誉システム」で判定され、良い行いをすれば名誉は上がり、悪いことをすれば名誉は下がって悪名が上がる。どちらに偏ってもメリットデメリットがあるそうなので、できれば悪い行いをしてみたくなるが、おそらく没入感が高いせいで悪い行いをするとなかなか精神にきてしんどい。ところが何度か悪いことをしていると慣れてくるのがなんとも言えず恐ろしい。
ミニゲームも充実している。このゲームのおかげでドミノの遊び方を知れたのは嬉しい。特に目新しくもないカードゲームは、時代設定にドンピシャで素晴らしい雰囲気でついつい遊んでしまう。通常あればカードを配る前の読み込みはイライラするものだが、没入感のおかげで気にならない。楽しい。コインを回収している時のドヤ顔はさすがにちょっとうざいったいが。
ストーリーを丁寧に楽しみたいと思うと、ちょっと不親切にすぎるところはある気がする。序盤のチュートリアル中に操作のヒントが表示されるが、同時に字幕も表示されるのにはまいった。どちらも大事なのにどちらも頭に入っていない。おかげで各キャラクターの名前や関係性を理解するのに苦労した。今も理解しているとは断言できない。
操作方法はちょっとかなり複雑に感じるが、こればかりは慣れるしかない。どうしてもわからないことはネットで検索すれば大抵解決する。とはいえ自分で気がつくことがおもしろくもあるので、ほんとに困った時だけ検索している。「決闘」のように検索してもいまだ不安な要素もあるし、ぼちぼち楽しめばいいやと思っている。これものんびりした時代設定のおかげかもしれない。
細かい不満点はあるものの、そんなものは無視できてしまうおもしろさと没入感。キャンプを豪華にしたり、銃に彫刻をしたり、ゲームを進める上で特に重要ではないものも丁寧に作り込みたくなるし、狩猟家や採集家などのチャレンジ、フィールドで出会う様々な人の依頼を達成するのも楽しい。操作ミスでトラブルになることが多いのは困るが、突然悪事を働くのは滑稽でおもしろい。
おかげでストーリーはまだチャプター2の半分ほど。現在はキャンプの近くにある町、ヴァレンタインでの悪さが露見し封鎖されてしまったので、自分の懸賞金300ドルを支払うために狩猟や悪事に精を出している。本来の目的がさっぱりわからないままだが、特に問題はない。
Red Dead Redemption 2
じっくり時間をかけて楽しめるし、じっくり時間をかけて遊んでもらいたいと願って作られていると思えるゲームです。