ミッチェル408のピニオンギアの外し方
常識なのかもしれないけれど
初めて買ったミッチェル408に付いていた深溝のスプールが割れていた。使っていないのに。使っていないから別に困りはしないけれど、予備のスプールは持っておきたい。久しぶりにeBayやヤフオクで予備のスプールを探しているうちに、なぜか2代目の408を落札していた。1台目より程度が良くて安い。もちろん交換スプールもついている。買わない理由を見つけられなかった。
届いた408はそのままでも使える状態だったけれど、自分でメンテナンスするのも楽しみの一部。コインとマイナスドライバーを駆使してバラし、パーツクリーナで古いグリスを落とし、新しいグリスを塗って組み上げる。巻き心地が改善されると思っていたのに、どうもハンドルの回転が重たくて、回転の持続も短い。グリスを塗りすぎたかと思って何度かやり直したけれど、改善しない。このままでも問題なく使えるのは確かなんだけど、全ての面で1台目より良い状態にしたくなってきた。ということで、408を分解清掃するたびに挑戦しては諦めていた、ピニオンギアの取り外しに挑戦することにした。
ピニオンギアの取り外しを諦めていた理由はローターからピニオンギアを外し方がさっぱりわからないから。どのサイトを見ても外しにくいと書いているし、そもそも外すべきではないという意見がほとんど。ギア自体がネジになってローターにくっついているのはわかっているけれど、それをどう回せばいいのかわからない。専用の工具が必要とも思えない。でも、指でつまんだぐらいでは回りそうにない。
数分間ローターをじっと見つめ、はたと閃いた。
- ローターをボディに戻してしっかりとギアを噛み合わせる。
- アンチリバースをオンにする。
- ハンドルが回転しないようにしっかりと握って固定し、ローターを反時計回りに回す。
これでネジを緩める方向にしっかりと力が加わる。アンチリバースやギアが破損しないように祈りながら、ゆーっくりと力を加えていくと、グイッとローターだけが回り、無事ピニオンギアが緩んだ。
ローターから完全にピニオンギアを取り外した後は、ベアリングが飛散しないようにタオルの上で慎重に調整ネジを緩め、丁寧にバラす。あとはパーツクリーナーで古いグリスを落とすだけ。繰り返しになるけれど、この外し方はパーツを破損しかねないので、くれぐれも慎重に。そしてもちろん、自己責任で。
結構ドキドキして分解したけれど、組み上げは簡単だった。ただ、期待した効果は得られず、バラした意味はあまりなかったので、よほど巻き心地に不満が出てこない限りバラさない方が良いと思う。記事を作成しながらピニオンギアをバラした写真もあった方がいいと思ったんだけど、作業に夢中で写真を撮り忘れていたし、撮影のためだけにもう一度バラすのはめんどくさい……とはっきり思う程度にはめんどくさい作業なので。
分解したくなった場合は、ミッチェルユーザー御用達の竹中さんのウェブサイトの情報やQ&Aを熟読することを強く勧める。また、ベアリングがおかしな個体を手に入れた場合は、ミッチェル308 – まいにちゆるくたのしくを参考に、最新のベアリングで組んだ方がより快適に使えそう。古い道具をそのまま使うことが気持ちいいと思う性分だけど、ベアリングは最新のものと入れ替えるとこの素敵なリールがどんな具合になるのか気になっている。そのうち入れ替えるかもしれない。
MITCHELL
ミッチェルのリールについて知りたいなら必読の本。Kindle Unlimited読み放題の対象書籍なので会員なら無料で読める。ミッチェルのリールの魅力が存分に書かれている。
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シマノ純正サービスグリスSHIP – DG06
ミッチェルのリールを調べたことがあるなら必ず見ているであろう竹中さんがオススメしているグリスと思っていたけれど、確証は持てない。粘度が高いので、付けすぎるとアンチリバースの音が鳴らなくなったりする。ベアリングに使用すると明らかに重たくなるので、ギア部分だけに使うのが良さそう。ベアリングにはオイルを使う方がいいのかもしれない。
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