ミッチェル314で釣ったアマゴ
使いたかったタックルで釣る喜び

初めて渓流釣りに行った年のオフシーズンに、300408314と、ミッチェルのリールを3つも買ってしまった。300は数回のウナギ釣り、ナマズ釣りで楽しんだ。408はもちろん渓流で堪能した。でも、314を使う機会が無かった。

314は独特の形状に一目惚れして購入したので、ちゃんと使って、ちゃんと釣りたい。でも、渓流で使うにはギア比が低く使いにくい。それを釣れない言い訳にしてしまいそうで、なかなか持ち出せなかった。昨年3年目*1にして408や新しいテンカラ竿でアマゴやイワナをコンスタントに釣れるようになり、ようやく314でも渓流釣りを楽しもうと思う余裕ができた。

314に合うロッド

僕は一昔前の道具が好きになる傾向が強く、ミッチェルのリールで渓流釣りを楽しんでいるのは必然だと感じている。当然ロッドも当時のものを使いたいんだけど、リール以上に消耗品な気がするし、道具にお金をかけ過ぎるのはなんか違う気がする。

そんなわけでロッドは中古コーナでお世話になることが多い。ある日の中古コーナーで、シマノのバスロッド「BASS ONE XT 2551-2」を見かけた。グリップはコルク。リングはリールシートの好みの位置で固定できて昔っぽい。長さも5’6”とちょうど良い。値段も2,000円を切っている。全体的な見た目はクラシックと言えなくもない。ということで、314にはこのバスロッドを合わせることにした。

「ミッチェル314」と「BASS ONE XT 2551-2」
リングにフットがはまらなかったのでグリップを削っている。気楽にこんな無茶ができるのも中古の安物だから。正直に言えば、このリングの使い方がよくわからない。でも昔のロッドみたいに見えるので、リールが固定できてりゃ別にいい。

渓流釣りでの314の使用感

最初に感じるのは、重み。408よりちょっぴり重い。とはいえ疲れる程ではないし、時折視界に入るかわいいフォルムのおかげですぐ気にならなくなる。
そして予想通り、アップストリームだとちょびっとしんどい巻き取り量。でも流れの緩やかな場所やアップクロスでゆったり巻いてくるのにはちょうどいい感じ。408が渓流にぴったりであることを再認識したけれど、314でも十分楽しめる。

ミッチェルを使う楽しさ

目当てのポイントは開けた場所でしっかりとした流れで深さもある。しばらく表層〜浅めにスプーンを投げてみたけれど反応無し。ならばとスプーンを少し沈めてゆっくりと誘いながら巻いていると、ロッドがクイっとしなった。

ミッチェルのリールにはこの先にちょっとした楽しみがある。最近のリールでは掛けっぱなしであることが普通(ですよね?)のストッパーだけど、ミッチェルのリールではフリーにしておく(説明書に書いてあるらしい)。魚がかかったら、ストッパーをかける。これが由緒正しいミッチェルの使い方なのだ。

ということで、フッキングに成功したので左手の中指でストッパーを掛ける。この一手間が渓流釣りにコクを出してくれる。そしてフッキングしたことによる興奮が、ちょっぴり落ち着く。そしてリールを巻く。さっきまで鳴らなかったジリジリジリジリといいう音。僕はこの一連の流れが、たまらなく好きだ。

珍しく撮影中にアマゴが釣れた。しかも使っているリールは314でストッパーを掛けるところまでばっちり映っている(1回目は滑って失敗しているけれど)。

ストッパーを掛けることで落ち着くのは事実だけど、魚の姿が見えたら落ち着いていられない。この時は314初の釣果になるということあり、絶対にバラしたくなかった。ランディングネットをさっと取り出し、スマートに取り込む……なんてことができるわけもなく、思い切りぶっこ抜いてみっともない釣り上げになってしまった。

とはいえ、誰も見ていないし314の初釣果なので、めちゃくちゃうれしい。20cmと小ぶりではあるけれど、これぐらいのサイズのアマゴは綺麗な個体が多くて写真写りも良い。食べるつもりで始めた渓流釣りなのに、最近は撮影するのが楽しくて、リリースすることが増えた。それは多分、美しい渓と魚、そしてそこに映えるかっこいいミッチェルのリールのおかげだ。

「ミッチェル314」とアマゴ
パーマークが薄くてニジマスみたいに見えるアマゴ。写真写りが良いとはいえ、撮影技術が無いと残念な写真になる典型例。

ミッチェル314

408とは違うかっこよさ、そしてかわいさがある。ギア比が低いので渓流釣りで使うと忙しなく巻かないといけないし、ちょびっと重い。408と比べるとどうしても使い辛いのでなかなか出番が無い。もっと釣れる頻度が高くなれば出番も増えるはず。

購入時の価格 ¥8,237

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

  • Instagram
  • YouTube
  • ANGLERS