リバーズ・エッジ
残酷で優しい

『リバーズ・エッジ』を読みました。岡崎京子さんの名前はよく目にしていましたが、作品を読んだのは初めてでした。ネットで検索するといろんな書評が読めますが、この作品を肯定しているはもちろん、否定している人もその物語の強さには高い評価をしています。確かにすごく読み込んでしまう作品でした。

川沿いのある高校を舞台に、なんとなくふわふわとしながら、他人からどう見えようとも本人たちなりに頑張ってあがいている物語、かなと。個人的に誰かに感情移入したりするのは難しかったですが、全ての登場人物にちょっとづつ共感出来てしまいました。高校生の話と聴いて、若さゆえの悩みを描いた作品とか、恋愛ものだとか(そんな人いないか)思って読むと、痛い目に合いますので心して読んでください。

この物語のことは全然知らなかったんですけれど、すごく有名な作品なんですね。変に期待値を上げることなくフラットの状態で読んで良かったです。久しぶりに足場を失ってしまうような読後感に襲われました。「暗い」「救いが無い」といった意味ではなく、この物語に生きる人々と、僕自身も含めた周りの人々との違い、みたいなものが全然わからなくて気持ちがざわつきましたね。すごく好きな作品なんですが、なんかはまると危ない様な気がします。あまり自分で意識したくない感情を引き出された感覚があります。でも、すぐに読み直しちゃいました。そこがまた0怖い。

心をグサグサされる感覚はこの物語に始終ついて回るのですが、やはりラスト近くの主人公ハルナと山田の会話が……なんとも言えず、良いです。すごく。

ハルナ:
…山田君は黒こげになっていないと人を好きになれない?

山田:
そんなことないよ

ぼくは生きている若草さんのことが好きだよ
本当だよ
若草さんがいなくなって本当にさみしい

『リバーズ・エッジ』

この会話の次のページを開いた時、泣けるとかそんなんじゃなくてですね、ちょっと一人になりたいなと。電車で読んでたんですが、お前ら(同じ車両の人)ちょっとどっか行けと。そう思いました。でも、誰かと会って話をしたくなりました。残酷な物語だと思いますが、そこからちゃんと優しいものが見えるから、性別や世代に関係なく読まれていくんだと思います。

2004年08月24日(火)

読書 /

Text by pushman