Hear the Wind Sing
嘘だと言ってくれないか……

I read the English version of “Kaze no uta wo kike”.

ちょっと英語の勉強をしているので、調子に乗って英語で投稿する事にしました。というのはもちろん嘘でExcite翻訳の力を借りてみました。

ということで、村上春樹のデビュー作『風の歌を聴け』の英語版を読んでみました。この作品の(正規の)英語版って、日本でしか出版されていないんらしいです。海外では『1973年のピンボール』も出版されていないそうです。日本人で良かったです。

これは英語を勉強するために特別に出版されたようですが、表紙をめくると左下に「★★★★本書は上級レベルです」と書かれています。しかし、僕は卒業旅行でアメリカに行った時も『風の歌を聴け』を持っていき、ろくに鍵もかからないモーテルのベッドの上で、寝る間を惜しんで読みふけったほどこの作品が好きなのです。まあアメリカで読んだのはなんというか、その、単純に雰囲気に酔いたかったからですが(今よりもっと若かったのです)。文庫本がぼろぼろになるほど読んでいるので、ストーリーはもちろんほとんどの会話も覚えてます。というわけで、英語の文章を読むというより記憶力のテストでも受けてる感覚で読めました。

観てきた映画の影響だと思うのですが、英語の会話を読んでいると、どうしてもむやみやたらに明るい会話に思えます。すぐに「Ha! Ha! Ha!」とか「Hey man!」とか「Shut the F**k Up!」とか言いそうな気もします。そんなわけで「僕」も「鼠」もすごく明るい人物に思えました。
そして、なんとも言えない気持ちになったのが、「僕」が「鼠」に「強い人間なんていない」ということを説明する会話です。僕はこのシーンが猛烈に好きで、いつもこのシーンにさしかかると姿勢を正して読みたい気持ちになります。すごく切ないんですよ。今回英語版を読んでみようと思った時に、英語でどう表現されているのかを知るのが、とても楽しみだったんです。

Rat:
“May I ask you one question?”
I nodded.
“Do you really believe that?”
“Uh-huh.”
The Rat went silent a while, staring down at his beer glass.
“You’re not going to tell me you were just kidding?”

“Hear the Wind Sing”

………はぁ。違う違う。「そんなんじゃないだろう!」と思わず叫んで目の前のおっさんに本を投げつけそうになりましたが、おっさんは全く関係ないのでぐっとこらえました。「“You’re not going to tell me you were just kidding?”だぁ?」そっくりそのままかえしてやりたい気分です。うーん、英語ではあのニュアンスは伝えられないのでしょうか。英語が母国語の人が読んだら「切ねー」と思うのかもしれませんが……。

ということで、再び「日本人で良かった」と思いました。ちなみにその他の部分はまあまだ許せるかなと。少なくとも関係ない人に怒りをぶつけるほどではなかったです。ということでやはり日本人は日本語で読む事をお薦めします。

2004年08月25日(水)

読書 /

Text by pushman