π
天才数学者の妄想爆発物語

もう予告編で完全にまいってしまいました。天才数学者マックスの妄想を軸に展開される物語なのですが、マックスが仮定した世界の成り立ちがかっこよすぎです。
話の端々に折り込まれる、数字と言葉の関係、黄金率、自然のいたる所にある「渦」などなど、知識欲を満たしてくれるワードが満載。こうしたいろんな要素がまぜこぜになっていくと、マックスの仮定はかっこいいだけではなく、リアルなものとして感じられるようになります。

1: Mathematics is the language of nature.
2: Everything around us can be represented and understood through numbers.
3: If you graph these numbers, patterns emerge.

Therefore: These are patterns everywhere in nature.

Max Cohen in the motion picture π

久しぶりにサントラを引っ張り出して大音量で聞きながら、この仮定を入力したせいか、「……これ、真実なんではなかろうか」と思えます。
「数学は万物の言語」っていうのはなんとなくわかる気がするんです。きっとそうなんでしょう。だから、「全ての事象は数字に置き換えて理解できる」ってのもそうだろうなと思いますし、「それを数式化すれば一定の法則が現れる」のは当然ですよね。そこから導き出される「全ての事象は法則を持つ」という考えはやっぱり真実ですね。なんで気付かなかったのか……。

といった感じで、平々凡々な人間をも簡単に狂気の世界へ引きずり込む、恐ろしくておもしろい映画です。この物語を生み出したダーレン・アロノフスキー監督はマックスと同じく本物の天才ですね。
低予算を逆手にとって、同じカットを何度も繰り返して使い回し、切羽詰まったマックスの狂気を演出。パン、パン、パンとジャンプカットで繋がれたシーンは、認知できない何かがゆっくりと変わっているように思えます。
音楽も凄く効果的に使われています。あまり聞き入ってしまうと頭痛がするほどです。

90分に満たない作品ですが、見終わったあと「普段使わない頭つかっちまったー」感で心地いい疲れと妄想が渦巻くこと間違い無い物語です。

そういえば公開当時、大阪のミニシアター周辺やひっかけ橋などの道路に、様々な色のスプレーで「π」と書かれていたのを鮮明に覚えています。迷惑かけてはいけませんね。でも、気持ちはわかります。
この「道路にスプレー」、聞いた話ではアメリカでこの物語を気に入った映画ファンが、もっと多くの人に観てもらいたくなって、勝手に行った活動だそうです。日本はこれを真似したのだと思いますが*1、他の地域でも行われていたのでしょうか?

1. まさか配給会社や宣伝会社の自作自演ではないですよね……

映画

Text by pushman

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