獲物で変動する猟欲
2018年度 13回目の出猟

久しぶりに一人で本拠地的な猟場に出猟。とはいえ先日のアクシデントで打ちつけた左足と右手はまだ痛いので、無理せず新たに購入した道具の使用感や、いくつかの気になる場所を確認することを目的していたのだが、獲物によって猟欲が大きく変わることを実感することになった。

まずはカル川に到着。昨年はほぼ確実にカルガモがいた川だが、今期になって下流の護岸工事が進んだ影響なのか、あまり見かけなくなってしまった。今回も下流から確認すると、工事の始まりより上流でも水の量が減ってにごっており、これではカモも居なくて当然のような気がした。

畑中池に移動。小雨が降ってきたおかげで枯葉が湿り、足音が消えて好都合。生き物の気配がしたのでペレットを取り出しながら近づくと、大きなサギ。そりゃ気配を感じて当然。自分の感覚が鋭敏になってきたと勘違いするところだった。

その後いろんなところを回るが、銃を撃てない場所ですらカモを見かけない。ようやくカルガモ3羽を見つけたのは、おそらく工事のために周囲の草が苅られた小ぶりな池。護岸工事こそされていないが、水は少なく濁っており、カル川に近い状況。なぜこんな無防備な池に居るのか……カモの気持ちは本当に難しい。

カモの気持ちはわからないが、食事中のせいかあまり注意していないのは見てわかる。レンジファインダーで距離を確認するも、なんとその距離5m。そんなわけないので両手でしっかりと固定して測定し直したが、水面の反射が邪魔をしているのか安物の限界なのか、測定できない。
仕方がないので自分を中心とした円を描くようにファインダーを動かし、カモと同じ距離ぐらいの対象物を探し測定。無事に49mと表示された。目測の予想とも近い。しかし綺麗に円を描けたのかも不安。さらに言えば応急処置のスコープマウントも不安。

不安だらけだがレンジファインダーを信用すると決め、狙点を顔の下の首に定めてレティクルを合わせる……が、食事中のせいか大変忙しなくて動きが止まらない。おまけに風も出てきたのでこれ以上待つとより厳しい状況になると判断して、引き金を引く。動きを予測して狙ったが、ほんの少し手前に着弾し、3羽は飛び立ってしまった。
難しい状況だったがレンジファインダーは嘘つかないことを再確認できたことと、悪くない円の描き方ができていたようなので、その点は満足。

スコープマウントもまだ無事のようで、俄然やる気がみなぎる。近くの大きな池に行くと、ひさしぶりにカモの群れを発見。しかしハシビロガモ。おいしくないとは聞いているが、自分で食べてみたいとは思う。しかしせっかく獲るならおいしいカモがいい……とハシビロガモやヒドリガモを目にするといつも思うことを、今回も繰り返しながら観察。
奥の方にも少し大きなハシビロがいるな……と思ったらそれはマガモの群れ。慌てるなと言い聞かせながら観察を継続し、マガモであることを確認。

久しぶりのマガモなのでなんとしても仕留めたい。このまま近づくと丸見えな状況なので一旦退却し、地図で地形を確認。いくつかルートがありそうだが、どれもちょっと危ない。雨は降っていないが先ほどの小雨の影響で足元も悪い。意を決して進んでみたが、道はどんどん悪くなり、長靴が必要なレベルになってきた。
足元を見ると結構な泥が付いており一瞬テンションが下がる。おかげで少し冷静になり、回収が大変難しいことにようやく気がついた。
マガモが居る場所は急斜面からせり出している木に守られている。反対側は道路が近く、回収作業をしようとすれば丸見えで、場合によっては通報されかねない。もちろん可猟区だがトラブルは避けたいので、撤退を決意。
「……でもマガモだぜ」という思いが何度も沸き起こったが、撃っても中らないし、中っても回収できないんだからと自分を説得して、なんとか思いとどまり、今回は終了。

先日の共猟で先輩方の「獲りにくい場所では獲らない」という姿勢を目の当たりにしていたのに、マガモを前に学んだことをスパーンと忘れてしまったのは我ながら驚くし呆れる。猟期も残り少ないので、もっと獲物を捕りたいという焦りもあったのかもしれない。
もう一度気を引き締めて、「獲物は逃がしても、また獲れる」という気持ちで、残りの猟期を楽しみたい。

畑で食事中のヌートリア
畑でのんびり食事中のヌートリア。哺乳類の解体の練習にもなるし、おいしいらしいの食べてみたいと思っているが、姿を目にするとやはり怯んで猟欲は減退する。結局この日も狙わなかった。

狩猟

Text by pushman

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