いちばんくわしい 魚のおろし方と料理
動画よりもわかりやすい、魚のさばき方入門書

子どもの頃から憧れているというか、「自分でできたらかっこいいな」と思うものがたくさんあって、その中でも実用度が高い“魚をさばく”ことは、いつか必ず習得したいと思っていた。
だったら一刻も早く魚屋で魚を買って練習すればいいのだけど、「魚をさばくならやはり自分で釣らないといけない」という妙なこだわりがあって、今までまったく手をつけずに生きてきた。

『魚のおろし方と料理』と「関孫六 銀寿 本鋼 和包丁」シリーズの出刃包丁と柳包丁

昨年ようやく念願の釣り、しかもボート釣りに連れて行ってもらうようになり、船酔いに苦しみながらも釣りを堪能した。釣果はマダイが一匹。やっと魚をさばく理想的な状況になったのだけど、当然さらさらっとさばけるわけがなく、ウェブサイトやYouTubeの情報を確認しながら、四苦八苦してなんとかさばいた。
その後もタイ、タチウオ、エソを釣り上げさばいてみたけれど、どうも手際が悪い。さばく技術は回数を重ねる度に緩やかに向上していると実感できたけれど、色々とっちらかって全くスマートに進められない。

「魚 さばき方」などと検索すれば、丁寧にやり方を解説しているサイトがたくさん見つかるし、YouTubeには動画もある。これらを参考にすれば魚をさばくことはできるけど、「魚を洗うタイミング」「包丁やまな板を洗うタイミング」「すぐに食べない時の処理」など、さばくことに派生する細かいことは紹介されていないことが多い。
切り身であれまな板であれ、汚れが気になれば都度洗いたくなるし、洗ったら水分が気になるのでキッチンペーパーで拭き取る回数も増える。そのため包丁を使う前後でいつもわちゃわちゃしていた。

そうしたわちゃわちゃをなくしてスマートに魚をさばくためのちょっとした、でも大切な基本が、この本には書かれている。例えば包丁の持ち方や構え方はもちろん、日常的な手入れの仕方も書かれている。こういう基本的な情報は、「タイ さばき方」みたいにその時の状況だけで検索しても、なかなか目にすることはできない。

第一章の「魚をおろす基礎知識」では、「おろし方の基本」「下処理の基本」「基本のおろし方」が書かれていて、多くの魚に共通する基本的なさばき方とその準備、そして作業を楽にする進め方を知ることができる。
第二章はその基本を踏まえ、魚種別のさばき方とレシピが紹介されていて、知っておくと作業がさらに楽になる固有の下処理や、ちょっとした工夫を知ることができる。

動画は実際の動きを確認できるので参考になるのは間違いないけれど、基本を知らない状態で見ても「ちょっと待って!」「今どうやった?」となることが多い。この本は理解できるまで待ってくれるし、わかる人には当たり前のやり方を丁寧に教えてくれる。
「魚 さばき方」などのキーワードで検索している僕のみたいな人が知りたい、でもネットではスルーされがちな情報も丁寧に解説されているし、読んでから動画を見れば理解も深まる。
魚をさばく技術を持ったかっこいい生き方に憧れるなら、まず読むべき一冊だった。

本を参考にしてさばいた平あじ
本で学んだ知識を試したくて近所の魚屋さんで買ってきた平あじ。残念ながら盛り付けのセンスは本では学べないようだ。付け合わせはベランダ菜園から間引いてきたわさび菜。

いちばんくわしい 魚のおろし方と料理

動画で見ても理解できなかったことが、不思議とすんなり理解できた。動画を見ていたからかもしれないけれど、作業しながら参考にするなら、まずは動画よりも写真とテキストが合っているのかもしれない。

Update:

読書

Text by pushman