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岡崎京子作品の最初の一冊

帯の言葉がいいです。「愛と資本主義。」
今から15年前の作品で、まあなんて言うか時代を感じさせてくれる作品でした。でも古くさいとは思いませんでした。それはやっぱり岡崎京子さんが描こうとしているものが、人の不普遍的な問題であるからかなと思います。

他の作品にも共通しているのですが、感情移入できる人間はいません。でも言ってることは理解できる部分もあります。それが理解を示したくないような人間でも。この作品で言えば、ユミちゃんの義理の母親とか。僕は男でしかもモテモテな人間ではないのですが、それでもこの母親の悩みというか恐れ、嫉妬なんかはわかってしまいます。……哀しいような、嬉しいような。

話の流れや雰囲気から、この作品は岡崎京子入門に最適かもしれません。『エンド・オブ・ザ・ワールド』の感想にも同じように「入門に最適」と言いましたが、こっちのほうが万人受けしそうな気がします。ラストもなんていうか衝撃的ではないし。その分『ヘルタースケルター』を読んだ後だと物足りないなぁ、という感じはします。ってなわけで、精神的負担は軽いです。でも油断してるとユミちゃん、ブチ切れるので注意が必要ですけどね。

2004年10月06日(水)

読書 /

Text by pushman