π|ダーレン・アロノフスキー

π|ダーレン・アロノフスキー

Author : pushman|Movie|2004-09-05 Sun 12:01

公開当時、今は無き心斎橋パラダイスシネマやひっかけ橋、大阪の各ミニシアター周辺の道路に様々な色のスプレーで「π」と書かれていたのを鮮明に覚えています。迷惑かけてはいけませんね。でも、気持ちはわかります。低予算で面白い映画が主要メディアにも取り上げられるようになったはしりの作品ではないでしょうか。この「道路にスプレー」、聞いた話ではアメリカ(?)でこれを見た映画ファンがどうしてもみんなに見てもらいたくって、勝手に行った活動だそうです。日本でのそれはそのまねだと思いますが*1、他の地域でも行われていたのでしょうか?

ストーリーは単純です。天才数学者の妄想話。やはり「π」は人をくるわせるようですね…

世界中の事象はすべて数式で表現できるという信念のもと、株式市場の分析に勤しんでいた学者マックスは、ある日コンピュータの故障から弾き出された、ユダヤ教の神を表すといわれる 216 桁の数字に注目し、その分析を行ううちに、やがて妄想の世界へと入り込んでいく…。

π

当時は週に 4 日、場合によっては 1 日 2 本は映画を見ているダメ学生でした。今では本ばかり読んでるダメ社会人に…さて、気を取り直してこの映画、もう予告編で完全にまいってしまいました。もうマックス(主人公)かっこよすぎ。

マックスの仮定。

1: Mathematics is the language of nature.
2: Everything around us can be represented and understood through numbers.
3: If you graph these numbers, patterns emerge.

Therefore: These are patterns everywhere in nature.

Max Cohen in the motion picture π

いやいや、久しぶりにサントラ引っ張り出して大音量で聞きながらこの仮定を写したんですが、「これ、本当なんではなかろうか」と思えてきますね。

「数学は万物の言語」で「全ての事象は 数時に置き換え 理解できる」から「それを数式化すれば一定の法則が現れる」と。「ゆえに全ての事象は法則を持つ」って考えるのは、当然ですよね。なんで気付かなかったんだろ。後でちょっと調べよう…

とダメ社会人をも狂気の世界へ引きずり込む、恐ろしく面白い映画です。自作のスーパーコンピューター(?)「ユークリッド」でいろいろ計算して、世界の動きを予測できる法則を見つけようとしているのですが、今のところは株の予測に没頭しているようです。なもんだから、いろんなお金大好きっ子たちにつけ狙われていて、結構大変そうです。でも基本的にそんなものはものともせず、研究に没頭。たまに女の子に 3 桁のかけ算や割り算を暗算で解いてあげて頭の良さをアピールしたり、近所の女性に欲情したりもしますが、それぐらいは許してやってください。大変なんです、マックスは。ユークリッドも変な物体を作り出すし…

とまあいろいろ起こるんですがほんと天才ですね、ダーレン・アロノフスキー監督。「レクイエム・フォー・ドリーム」も見たい見たいと思い続けてまだ見れてないのですが、すごいですよ。低予算を逆手にとって、同じカットを繰り返すことでそこに意味を持たせます。薬を飲むシーンとかね。パン、パン、パンとカットが切り替わると、何かが変わっていっている感覚がこちらにも伝わってきます。音楽も凄く効果的に使われています。あまりじっと聞いていると頭痛がするので気をつけないといけませんが。

そうそう、話の端々に折り込まれる、数字と言葉の関係とかも豆知識的に面白いですよ。もう一人の天才「π」研究家、沢木夢人君も気付いたように、黄金率とか自然のいたる所にある「渦」とかね。そうしていろんな要素を盛り込んで、マックスの仮定はリアルなものになっていきます。

90 分に満たない作品ですが、見終わったあと「普段使わない頭つかっちまったー」感で心地いい疲れと妄想が渦巻くこと間違い無し、な物語です。

しかしここまで人を虜にする「π」にはきっと何かあるに違いない…

π

π(パイ)

ジェネオン エンタテインメント:2000/03/24
価格:(定価:¥ 4,935)
ユーズド価格:¥ 2,700

(価格・在庫は11月21日 12:06現在)


「π」オリジナル・サウンドトラック

π(パイ) ― オリジナル・サウンドトラック

サントラ、クリント・マンセル、オービタル、オウテカ、エイフェックス・ツイン、ロニー・サイズ、マッシヴ・アタック
ビクターエンタテインメント:1999/07/07
価格:(定価:¥ 2,520)
ユーズド価格:¥ 839

(価格・在庫は11月21日 12:06現在)


πの神秘

π(パイ)の神秘

デビッド ブラットナー、David Blatner、浅尾 敦則
アーティストハウス:1999/06
価格:(定価:¥ 1,680)
ユーズド価格:¥ 144

(価格・在庫は11月21日 12:07現在)



  • *1:まさか配給会社はしてないですよねぇ。

Tag(s): ダーレン・アロノフスキー

Comments

Posted by タカジロウ2004-09-05 Sun 20:42

この監督さんすごいですよね。僕はエモーショナルな映画の方が好みなんですが、反骨精神と言うか…新鋭のオーラがぷんぷんしていて嫌いではないです。レクイエムフォードリームも神経がささくれ立って行く感じが何とも言えませんでした。でも辛くて2度みられません、心弱いんで(笑)。凄い作品です。

Posted by pushman|2004-09-05 Sun 21:11

タカジロウさん
いいですよね、「お…」じゃなくて「π」。今見ても結構な衝撃があります。同じ頃だったと思いますが、「Cube」とかにみられた、低予算で設定のおもしろさと、演出で勝負、みたいな映画の中では飛び抜けていたと思います。身体に影響を及ぼす物語って早々ありませんが、これはほんと身体にきますね。もちろん心にも。

「レクイエム・フォー・ドリーム」見たいんですが…心弱いとやばいですか(笑)。僕の心もめっぽう弱いんで(笑)…自己鍛練として、挑戦してみます。

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