2005-12-28 Wed
とても驚きました。まったくの予備知識を待たず見たので、DVDが飛んじゃったのかと思ったぐらい、話を追うのに苦労しました。
バレンタイン目前のある日。ジョエル(ジム・キャリー)は不思議な手紙を受け取る。
「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」
クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)はジョエルが最近喧嘩別れしてしまった恋人。仲直りしようと思っていた矢先に、彼女が自分との記憶を消去してしまったことを知りショックを受けた彼は、自らもクレメンタインとの波乱に満ちた日々を忘れようと、記憶除去を専門とするラクーナ医院の門を叩くが…。
ネタがわかれば、なるほどねー、といったかんじのよくある話ですね。
かなり巧妙に構築された物語で、ちらつく伏線がたまりません。設定を知っている人はもちろんですが、僕のように知らない人も頭の上にたくさんの「?」マークが浮かぶと思います。ただ、仕掛けのわりには物語の流れが普通なので、どうも先が見えてしまってつらいですね。まあ仕掛けも物語の流れもややこしいと見てて疲れると思いますが、ちょっと単純すぎるかなと。単純で全然問題ないんですけど、その場合はもっと物語自体に魅力が必要だと思います。
初めてジム・キャリーが出てる映画を観たのですが、いいですねこの人。なにか特別引きつけられはしませんが、安心感があります。ケイト・ウィンスレットはあの「タイタニック」しか知りませんが、随分痩せてきれいになってました。一番驚いたのは、キルスティン・ダンストがかわいかったことですね。役どころも需要でしたし。
人為的に「記憶を消す」というモチーフは数多くあると思いますが、消される記憶の描写を描いたものはあまりないのではないでしょうか。ってそんなもん描こうと思う人の方が少ないと思いますが、脚本家はチャーリー・カウフマンですか。「マルコヴィッチの穴」でもあり得ない頭の中を描写してましたね。納得です。
しかし「イヤな記憶は消してしまえ」というのはすごい発想ですね。誰にでも忘れたい記憶はあると思いますが、実際に消すことができたとして、それを実行する人ってどれぐらいいるんでしょう。僕は多分できませんね。なんか消してしまったとしても、他も人はそのことを覚えているわけで、憶えているからこそ進歩していく可能性がありますが、その見込みすらなくなってしまうわけですからね。おまけに友達から「あいつはちっとも変わらない」なんて当然のことをネタにされて笑われることを想像するだけで、相当猛烈に恥ずかしいですし。まあ憶えてても同じことを繰り返してるんですけどね(笑)。
そこらあたりのことを、物語に巧妙に埋め込んでいることに、感想を書いてて気付きました。こうして感想を練ったことで、見終わった直後よりもいい映画だなと思います。
現実の世界で記憶を消すことはできませんが、イヤなこととか、考えたくないことから、とても逃げやすい世の中だと、最近思います。でもこの物語の様に、人は忘れた後にも結局同じようなことを繰り返すんだから、それがどんな記憶であっても、捨てずに温めていくことで、他人を温める言葉が生まれてくるのかな、と思います。
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