2004-11-23 Tue

猫にかまけて|町田康

昨日ちょっと空き時間が出来たので、ふらっと本屋さんに入ったら、町田康の新作「猫にかまけて」を発見してしまいました。

僕はこのサイトでずっと「電車やドトールで読んではいけない本」の筆頭に、町田康の作品を上げていました。なぜなら顔がにやつくから。しかも昨日は約束していた人が、ちょっと遅れるというので、まさにドトールで読む本を探しに本屋さんに入ったのです。ちょっと立ち読みしたんですが、さっそく顔がにやつきます。やっぱりやばいなぁ、と思ったんですが、僕は町田康好き。かつ、猫好きなので、この本から逃げる術がありませんでした。

タイトルどおり、町田康が一緒に住んでる猫達にかまけている生活をつづったエッセイです。町田康好き、かつ、猫好きな人は必読です。町田康に興味がなくても、猫好き、あるいは猫に興味がある、という人も必読です。

購入後、さっそく近くのドトールでスイートポテトとブレンドコーヒーを注文し、近くにあまり人がいない場所に着席。1 ページ目からさっそくにやつきが始まったのですが、慣れというのは恐ろしいものです。なんかにやついてもあまり恥ずかしくなくなっていて、普通に「にや〜」っとしてしまい、それに気付いたことで開き直りも加わり、すごく表情豊かに読書を楽しみました。そのうち声をだして笑ってしまいそうで、われながら怖いです。

で、にやつくことには慣れてきた僕ですが、そのほかにも人前でやっちゃいけない、あるいはできない、ということの一つに「涙を流す」ということがあります。やはり男の子たるもの、簡単に泣いてはいけませんよね。しかしなんだか最近涙もろいのも事実で、困っているのですが、まさか町田康のエッセイで目に涙をいっぱい溜めることになるとは、夢にも思いませんでした。

最初の方はとてもおもしろいんです。「ココア」と「ゲンゾー」という 2 頭の猫の得意技なんかを披露していて。そこに野良猫の「ヘッケ」が加わるのですが、これがほんとにつらく悲しいお話でした。ちょっとネタバレしますが「ヘッケ」は病気で死んじゃうんです。「ヘッケ」が死んだ後、そのまま悲しい気持ちで読み進めると、「ヘッケ」にそっくりな「ナナ(後に奈々)」がやってきます。ここからまた面白エピソードが満載で、ほっとしていると、こんどは「ココア」の様子がおかしくなります…人間に例えると、100 歳ぐらいの「ココア」ですから、その結末も予想できてしまいますし、看病しながらも日々の生活のため忙しい毎日を送り、後になって「もっとかまってやるべきだった」と後悔している町田康の文章を読んでいると、こっちまでつらくなってきます。

今まで読んだ町田康の作品で、もっとも電車やドトールで読んではいけない作品となりました。

どうでもいいようなことで悲しんだり怒ったりしているとき、彼女らは洗練されたやりかたで、人生にはもっと重要なことがあることを教えてくれた。

猫にかまけて

僕が悩んでいることなんて、大したことはないってことはわかってるんですけどね。わかっていても、簡単に割り切れるものではありません。だからこそ、こういったことを教えてくれるものは、ほんとに大切です。

猫にかまけて

猫にかまけて

町田 康

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2004-11-23 Tue by pushman - Category: Book
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