2004-09-09 Thu
僕は気に入った本や映画や音楽に巡り合うと、もうとにかくその人の作品を全て時系列に読みたく、見たく、聴きたくなってしまいます。村上春樹さんとか、庄司薫さんなんかはそれがもっとも顕著に現れた例ですね。作品年表を覚えて本屋に行って、発行年月日も確認して完璧な順番で読みたかったのです。ちなみにこのお二方のほとんどの作品は、ハードカバーと文庫判で持ってます。村上春樹さんにいたっては全作品にまで手を出してしまいました。もうアホです。
最近そこまでのめり込む作家さんにあうことも少なくて、ちょっと物足りない日々でした。でもついに出会ってしまいました、というか出会ってたんですね。一人はドン・ウィンズロウ。この人は結構前からはまってました。で、もう一人が岡崎京子さんです。
残念ながら出版順には読めていないのですが、何かを読んでは岡崎京子、というパターンになりつつあります。で、今回は「エンド・オブ・ザ・ワールド」を読んでみました。
はじめて岡崎京子さんの短編を読んだのですが、長編よりはいくぶん楽に読めました。長編が読みにくいとかそういうことではなく、長編はゆっくりと確実に「ぐいーーっ」と読み手の心をえぐるような作品が多いのですが、この短編集はそういう感じは無かったです。でもちゃんと読み手の心の深い領域につっこんでくるのですが、「ぐいーーっ」とではなく、「サクッ、サクッ、サクリ」とやられてしまった感があります。特に「ひまわり」なんて「サクーーー」っと一気に入り込まれて、その瞬間は何も感じないほどです。それが過ぎ去った後に、「あっれぇ…」という感じでイヤーな感触が残ります。
かと思えば、「乙女ちゃん」みたいにいろーんな意味で深ーいところまでつれていってくれる物語もあります。「ひまわり」よりもこっちの方が好きですが、残っているのは「ひまわり」なんですよね。不思議なものです。
表題作の「エンド・オブ・ザ・ワールド」は他の岡崎作品になれていると、おもしろいけどそれほど驚きというか、心がねじ曲がる感覚はなかったです。「VAMP」もそうなんですが、なんていうかわりに息抜きというか、軽い気持ちというか…そんな印象を受けました。話はおもしろいし好きなんですが、どこかで期待してしまっている「ほら、グサーーーっとやっちゃってください」というこちらの期待にこたえるような作品ではなかったです。あまりなりたくない気持ちにどうしてなりたがるのか、自分でもよくわかりませんけれど。
「水の中の小さな太陽」は、「リバーズ・エッジ」から続いている、というか同じ地表にある作品のような印象ですね。
なんかここまで書いて、読み直して見たらあまり気に入ってないみたいですが、すごく気に入ってるんです、ほんとに。ではなぜいまひとつこの短編集を素直におすすめ出来ないのか? それはですね、この後すぐに読んだ、「ヘルタースケルター」が相当猛烈に僕の心を「グリーッ、グリーッ、グリッーー」とえぐってしまったからだと思います。久しぶりに物語を読み終わったあと放心してしまいました。ちゃんと(?)間隔を空けて読んでいればこの作品の感想もさらりと書けたと思うのですが、はっきりいって「ヘルタースケルター」を読んだあとではどうしてもかすんでしまいます。
でもほんとこの短編集も素晴らしいですよ。Amazon のレビューにも書かれていますが、まだ岡崎京子さんの作品を読んでいない人は、この短編集から入ると間違った印象を持たないですみそうです。これを気に入った人は、他の作品も気に入ると思うし、これがだめなら他の作品もちょっと合わないのではないかと思います。
¥ 900 (定価)
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(Amazonおすすめ度)
在庫あり。(価格・在庫状況は2月10日 11:16現在)
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