2004-09-13 Mon
最近ドーンと岡崎京子さんの作品にはまっているわけですが、もっとも気持ちをざわつかせてくれた作品は、もう間違いなく「ヘルタースケルター」です。
さえない(ほんとはさえてる)女の子(あるいは男の子)が、ふとしたことでモテモテになって、いい男(あるいは女)と結ばれハッピーエンド。おそらく物語がつくられてからでずっと語られている、世の中の多くの人が気持ち良くなれるこの手のシンデレラストーリー。しかしその先にあるもの、その実情、その心のうごきはほとんど描かれていません。だからこそ気楽に感動出来て、人気があるわけですよね。僕も嫌いではありません。しかし、この「ヘルタースケルター」は、そういう話の開始1時間後、きれいになって今まで見向きもしなかった人も主人公に注目し出した頃から始まります。そして、そんなシンデレラストーリーを今までと同じ気楽な気持ちで見ることが出来なくなるところまで、読者を引っ張り込んでしまいます。そして、それはそういう話を好んで求める人々をすごく不安な気持ちにさせると思います。
というわけで僕も読んでいる間、そして読み終わった後、誰かに隠し事をしている時のような腰の落ち着かない感覚がなかなか消えず、本当に疲れてました。
もとのままのもんは骨と目ん玉と髪と耳とアソコぐらいなもんでね
あとは全部つくりもんなのさ
漫画でここまで気持ちをざわつかされたのは、本当に久しぶりです。読んでいる間、読み進めたくないなぁ、と何度も思いました。そして、読んだ後しばらくふかーい所で考えてしまいました。何かを具体的に考えたわけではなくて、いろんな思念がうずまいていましたね。それは感覚としてはっきりと、身体に残っています。
僕はBlogを始めてから、本や映画の見方が少し変りました。読んでいる最中に自分が共感した所や感動した所、違うなと感じた所なんかを以前よりはっきりと意識するようになったんですね。「この文章はぜひ紹介したい」とか「ここ引用してー」とか。でも、本当に心からのめり込んでいる場合、そんなことする余裕は当然ありませんし、もっといえば読んでいる自覚も無くなってしまいます。もうその作品世界に完全に入り込んでしまうときがあります。だから電車を降りそびれたりしちゃうわけです。この「ヘルタースケルター」もそんな作品です。今だって確認しようとパラパラページをめくるとあっという間に読み込んでしまったほどです。
それでも僕がもっとも感動したというか、心を揺さぶられた言葉は、帯の裏に書いてある岡崎京子さんのこの言葉でした。
いつも一人の女の子のことを書こうと思っている。
いつも。たった一人の。一人ぼっちの。
一人の女の子の落ちかたというものを。
こんなことを僕が言うのは失礼かもしれませんが、この目標はほぼ達成されていると思います。
I would never wanna belong to any club that would have someone like me for a member.
僕もやはり、こんな気持ちを抱いています。
このセリフを知ったのは、「アニー・ホール」でした。僕はウディ・アレンとその作品がたまらなく好きです。こういうシンクロはとても嬉しいですね。
「ヘルタースケルター」には書かれていませんが、「アニー・ホール」の出だしのセリフも読み終わったときにふと頭に浮かんでいました。
There's an old joke. Uh, two elderly women are at a Catskills mountain resort, and one of 'em says,
"Boy, the food at this place is really terrible."
The other one says,
"Yeah, I know, and such small portions."
Well, that's essentially how I feel about life. Full of loneliness and misery and suffering and unhappiness, and it's all over much too quickly.
ほんとのところは誰にもわかりません。でももし、これが真実だとしても、幸せになることを望んで過ごしたいと思います。
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エンド・オブ・ザ・ワールド|岡崎京子
2004-10-06 New »
pink|岡崎京子
岡崎京子の復活を願っています・・。
2011-01-09 Sun 09:20
さとしさん
初めまして。そして、コメントありがとうございます。
少し前にネットのニュースで見ましたが、車いすで小沢健司さんのライブに行けるぐらいに回復されているみたいですね。
まだまだ大変なのだと思いますが、とても嬉しいニュースでした。
2011-01-12 Wed 00:47