2004-12-24 Fri

CARTOONS|岡崎京子

気軽に読める、岡崎京子入門に最適な短編集、ではないかと思います。

全24編が、4ページか6ページで終わる、あっさりとした物語から、一つの大きな話につながっている物語です。ロバート・アルトマンの映画を好きな人は、もう必然的に好意を持ってしまいそうな設定なわけで、はっきりいって、僕は読む前から好きになっていました。

特にどの物語が印象に残った、というのはないのですが、全部ひっくるめて一つの物語なので、当然といえば当然なのかもしれません。

岡崎京子さんの言葉「私達はそれぞれの人生の主人公であり、他人にとってはワキ役」は、純粋に事実ですよね。僕も昔からそう思っていて、心の底から不思議な気持ちになっていました。僕が知らない人にも、それぞれ日常があって、僕が知っている人でも、僕の知らない日常があって。なんか不思議です。

でも最近やっと、その不思議な感覚を素直に受け入れることができるようになってきたというか、少なくとも想像することができるようになってきたような気がします。ほんとにいろんな人に会ったり、話を聞く機会が増えてきて、世界が広くなったということもあるのでしょうし、ただ単に歳をとって、いくらか広い心を持てるようになったのかわかりませんが。

この小さな物語は、直接読み手になにか影響するような物語ではないですが、ちょっと自分を見つめ直すというと大げさ、自分を傍観するちょっとした時間を与えてくれるような気がします。そして、自分にちょっと甘い評価をすることを、許せるような余裕があることを気付かせてくれたような気がします。えらい回りくどく書きましたが、つまり、まあぼちぼちやれることからやっていこうか、というような気持ちになったわけです。

ということを、僕は岡崎京子さんの作品から常に感じているようです。自分の感想を読み直してみて気付いたんですが(笑)。かなりえぐい終わり方をしたり、リアルできつい表現があったりしますが、それはただ単に読者をはっとさせるための手段で、伝えたいことは表層には無く、もっと奥深いところにあるような気がします。それをなんとなく感じているんですが、もっと理解したいので、これからも何回も繰返して読むと思います。そういった物語に出会えて、ほんとについているなぁ、と思うここ最近です。

Blogを初めて、顔を見たことないいろんな人の意見や感想を読んだり、このサイトにもコメントしてくれる人がいて、ほんとに楽しいし、嬉しいです。人それぞれ違うものを見ても、同じようなことを考え、同じものを見ても、全然違うことを考え、結局大部分が重なっていて、ほんの少しの重ならない部分が、とても大事な事なんだなと思います。

カトゥーンズ

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2004-12-24 Fri by pushman - Category: Book
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