2009-11-02 Mon
10月17日土曜日19時から22時。大阪北浜のDetaj(デタイュ)にいた人達は、音楽が今よりもっと素朴で楽しい娯楽だった時代があった事を、肌で感じられたのではないかと思います。
戦前のハパハオレ・ハワイアン、スウィング、ラグタイムやカリプソを得意とする「Sweet Hollywaiians」と、戦前ブルーズをストイックに再現する「Old Southern Jug Blowers」。通常複数のバンドが一緒にライブをする時は、バンドごとに演奏し、最後にセッションしておしまい、というパターンが最も多い、というかそうせざるを得ないと思いますが、このライブでは最初から2バンドがステージに上がり、1〜2曲ごと交互に演奏するという変則的なライブでした。
会場となった「Detaj」はライブをするように作られた場所ではないのでいわゆる「ステージ」はありません。「そこがステージ」と決めた場所がステージになります。入り口から真正面にスティールギター、テナーバンジョー、テナーギター、アーチトップギター、ストリングベース、ウクレレ、ギターバンジョー、マンドリンバンジョーなどなど、数々の弦楽器(それもほとんどがヴィンテージ)がずらりと並んでいることが、ステージである証です。
そんなステージなのでバンドと客席が同じ高さになり、後ろの方は少し見にくくなります。さらに、2本の大きな柱があり、一方のバンドが全く見えない座席もありました。つまりライブ会場としてはまったくいい環境ではありません。しかし、というか、だからこそ、なのか、演奏する側も聴く側もリラックスして気負いがない、それでいて高揚感を感じる会場でした。「楽しませてもらう」ではなく「楽しもう」という能動的な感じが強かったのかもしれません。「見えないのは残念だけど、まあ、聞こえない訳じゃないんだ」と言った感じでしょうか。
向かって右側にSweet Hollywaiians、左側にOld Southern Jug Blowers。全ての楽器、歌がマイクを通さず、生音のみ。きっと1920年代の酒場では、こうやって人が集まってきて、何か楽器を弾ける人達が自分の好きな曲を演奏し、それを聴いている人達も自由に飲んだり食べたりしながら、気楽に楽しんでいたんだと思います。ライブ中何度も自分が2009年の大阪北浜のカフェにいる、という感覚が不確かになりました。
1stステージは、Sweet Hollywaiiansの演奏から始まったのですが、1曲目は「Louisville Special」。そこからはほんとに時間感覚が狂う曲と演奏。途中の休憩時間中も、BGMはなんと生演奏。バンドの方々にとってもは全然休憩になっていません(笑)。Hollywaiiansの方々も普段ステージでは演奏されないブルーズを弾き語りしたり、楽しんでいたようです。
再開後も親密な空気は変わらず、いよいよ最後の曲が終わって一緒に演奏…となりそうだったのですが、Old Souther Jug Blowersから「もう一曲演らせて」と声が上がりました。そして、「Louisville Special」を演奏。つまり、最初と最後が同じ曲。演奏する側も聴く側も、「もう楽しくって仕方がない」といった雰囲気になってました。
その後のセッションは、同時代とはいえ互いのジャンルの違いで四苦八苦され(笑)、ちょっとハラハラして違った楽しさがありました。
開始早々「今日は僕たちが楽しむ日です」という言葉が飛び出し、まさしくそのとおりにライブは進んでいったと思います。かといって観客を置き去りにしていたわけではありません。ちょっとうまく言えないのですが、人が楽しんでいる様子がある一線を超えると、見ているこっちも楽しくなる事ってありますよね。そういう感じが一番近いかもしれません。互いのバンドが目指しているというか「かっこいい」と思っているものを詳しく知りませんが、そんな知識が無くても「かっこいいものは、かっこいいんだ」と思えたライブでした。
演奏そのものだけに注目すれば、もっと良かったライブはあると思います。でも、あの会場の雰囲気、テンションはなかなか得難い体験だったと心の底から感じます。僕が足を運んだライブで、間違いなく過去最高のライブでした。
以前も書きましたが、Sweet Hollywaiiansの人気というか知名度というか、とにかく世間との距離に腹が立ちます。もうちょっと知られてて、人気があってもいいはずだと強く思います。映画「ゴーストワールド」の台詞を拝借すれば「Sweet Hollywaiiansがモテない世の中が不満だ」という感じです。ということで、微力ながら告知協力を。
11月14日(土)梅田のNu茶屋町の「Lapine」にて、ライブがあります。今回は演奏だけでなく、フラの方々も来られる様です。いずれこの方々がモテる時代がくる様な気がしますので、少しでも興味をもたれた方は今のうちに見ておいて方がいいですよ。きっと楽しい音楽の時間を過ごせると思います。
最後のセッションがYouTubeに上がってました。
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2009-11-02 Mon by pushman - Category: Music
Keyword: Sweet Hollywaiians
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