2004-10-20 Wed
おむつおむつおむつ。中島らもさんのエッセイは何冊が読んだことがあったのですが、小説を読んだのは初めてでした。今「お父さんのバックドロップ」を読んでいるのですが、この「超老伝ーカポエラをする人」とは全然雰囲気が違って、今さらながらすごい人なんだなぁと知りました。おむつ、おむつ、おむつ。
菅原法斎、かれこれ発狂して十六年。趣味は彼以外誰もやっていない格闘技“カポエラ”。「格闘技世界一決定戦」に出場して大暴れ!! 狂人を職業とする老人の異常な日常−−おそるべし。(関川夏央)
わしが菅原法斎じゃ。かれこれ十六年前に発狂してから、この道ひとすじでキメておる。趣味はカポエラじゃ。今のところまだ負けたことはない。なにせ珍しい格闘技なので誰もやっとらんのだよ。こんど、うちに住み込んでおる世界一の大男ミゲールにかわって「格闘技世界一決定戦」に出場することにしたんで、せいぜい大暴れしようと思っとる。
しかし勢いで書いているというか、ただ単に自分が知っていること、学んだことをふざけて解説するためだけに書いているだけですね、これは(笑)。それがこんなに面白いというのはなんというか羨ましいですね。きっと書いている間、おむつおむつおむつ、自分で笑っていたのではないかと想像します。
おむつおむつおむつ。というわけで、この物語もやっぱり電車で読むのは危険でした。と書いているということは、僕が電車で読んだことになるのですが、いけませんよほんとに。特に、格闘技好きは読まないほうがいいです。UWFとか出てくる所に時代を感じますが、格闘技、プロレスへの愛情がにじみ出ているので、嬉しくなって、ちょっと興奮してしまいます。おむつおむつおむつ。ちなみにカポエラの選手がK-1に参戦したことがあったと記憶しているのですが、いつごろでしたっけ? 負けてましたけどね。
おまけに、偶然僕がいっちょかみで経験したことや勉強したことがたくさん出てきて(テレビの中継や相対性理論)、内容の面白さ以上に楽しめました。だからこうして、おむつおむつおむつ、と言いたくなるんですね。おむつおむつおむつ。言いたい時に、言いたいことを言う気持ち良さってちょっとなかなか得ることが出来ませんよね。実生活ではさすがに口にはしませんが。
ただ、こういう小説にありがちなんですが、後半に勢いが衰えているような気はしましたね。前半のテンションを保っていても、読み手がそれに慣れてくるので、後半に上げていってもらわないとちょっとしんどいかなと。僕の場合は格闘技好きなんで、僕自身のテンション維持できましたけどね。
最初にも書きましたが、何かを伝えようとか、カポエラを広めようとか、そんな事は全く考えてなくて、自分が面白いと思うことを書いただけ、というのがすごいですね。それで成立しちゃうんだと。才能が無ければできませんよね、そんなこと。今までなかなか触手が動かなかった中島らもさんの小説ですが、これを機にちょっと読んでみようと思いました。
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