甘美なる来世へ
唯一無二の文体

『ナイン・インタビューズ』で紹介されていた、『甘美なる来世へ』を読みました。最初のページで度肝抜かれましたが、人によっては最初のページを目にしただけで「とても読めない」と判断してしまうかもしれません。次のページにいくまで「。」はおろか「、」もないんです。ある意味親切な作家で、最初のページで読者に警告をしている節があります。翻訳者の柴田さんもそこら辺をうまく処理してくれているな、と思います。後書きで、「通常の翻訳であったら愚の骨頂でしかない原則を定めて訳した」と書いています*1

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1. 「原文1センテンス=訳文1センテンス」「読点の数と位置を大体同じにする。」だそうです。

2004年06月19日(土)

読書 /

Text by pushman

ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち
信頼できる翻訳者であり読者

新作が待ち遠しい作家というのは何人かいるが、新作が待ち遠しい翻訳家となると、これはもう柴田元幸さんしかいない。

多くの人は、海外の作品を読むときに、翻訳家が誰か、なんてそんなに気にはしていない、と思う。僕もかつてはそうだったが、柴田さんの翻訳作品を読んでからは、多少は翻訳者を気にかけるようになった。そして今では、柴田さんが翻訳しているなら原作者が誰か、なんて気にしない。内容をよくわかっていない本を手に、自然とレジまで歩いている。

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2004年05月15日(土)

読書 /

Text by pushman