2004-08-30 Mon
以前からドン・ウィンズロウは「相当猛烈肌が合うなぁ」と思ってましたが、「ボビーZの気怠く優雅な人生」を読んで、その思いは決定的となりました。
海兵隊あがりの冴えない泥棒ティム・カーニーは、服役中の刑務所で正当防衛のためにヘルズエンジェルズの男を殺し、塀の中にいながら命を狙われる身となった。生きのびる道はただひとつ。ティムの容姿が、南カリフォルニアの伝説的サーファーで麻薬組織の帝王、ボビーZにそっくりであることに目をつけた麻薬取締局の要求を飲み、Zの替え玉となることだった—。愛すべき悪党どもに、ミステリアスな女。波の音と風の匂い。気怠くも心地よいグルーヴ。ウィンズロウが新境地を切り拓いた最高傑作。
世の中(ありがたいことに)いろんな物語とそれを生み出す作家いるわけですが、僕はあまり幅広く物語を読むタイプではなく、気に入った作品は何度も読み直すし、一度気に入った作家の作品は大抵嫌いになりません。で、最近新たにお気に入りの作家見つからなかったのですが、とうとう見つけた、って感じです。何が気に入ったって、この人の力の抜き加減とその抜きどころですね、おそらく。
アクションシーンであろうが、シリアスな会話であろうが、セックスシーンであろうが、なんかどうも真剣になりきれない感じがすごいいいですね。コーエン兄弟の「赤ちゃん泥棒」のアクションシーン*1を好きな人にはおすすめです。
僕が「あぁこの人の事(物語)は確実に好きだわ」とはっきり自覚したのは、この作品の主人公ティム・カーニーの生い立ちを説明する冒頭部分の文章でした。
ティムは、カリフォルニア州の掃き溜めの街、デザートホットスプリングで育った、というか、育ちそこなった。
いいですねー「デザートホットスプリングで育った、というか、育ちそこなった。」なんかニヤリとしてしまいます。日常生活でも使いたいのですが、なかなか難しいですね。他にも随所に「俺も言いて〜」という、ちょっと抜いたかっこいい表現があって、どのページを開いてもわくわくします。
読んでいるという感覚がとても希薄になりますね、ここまで肌が合ってると。おかげで普通に声を出して笑ったり、小声で突っ込んだりしてね。いや〜、楽しかったですね。そこが電車の中でさえなければ…
この作品は、ニール・ケアリーシリーズや、「カリフォルニアの炎」とは読後感が少々違います。どんな読後感かは言いいませんが、なかなかいいですよ。
現在日本で入手出来るものは残すところ「歓喜の島」のみになりました。翻訳者が違うのがちょっと気になりますが、どうでしょうね。東江一紀さんの訳がとてもしっくりきているのでちょっと不安ですが。
それにしてもニール・ケアリーシリーズの「高く孤独な道を行け」の続きはどうなっているのでしょうか?「カリフォルニアの炎」の訳者あとがきに「必ず近いうちに翻訳刊行いたしますんで、今しばらくお待ちください」と書いてるんですが。初版が「平成 13 年 9 月 25 日」とありますので、もうすぐ 3 年ですね…
「東江一紀はニール・ケアリーシリーズ最新刊を翻訳した、というか、翻訳しそこなった」
てなことになってないよう、心から祈っています。そして、刊行される日を心待ちにしています。
¥ 820 (定価)
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在庫あり。(価格・在庫状況は9月10日 3:05現在)
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若野桂さんはCDのジャケットよりも本の方がいい感じですね。
(って、アホアホなコメントをわざわざ残してしまってすみません。。。)
(小説はすんごく偏ったものしか_ってゆうかひとりの作家のものしか_読破できないのが私の悩みです)
2004-08-30 Mon 03:23
ドン・ウィンズロウの世界とはちょっと違うイメージなんですけどね。
(で、若野桂さんって誰ですか?(笑)ほんとそういう方面にうとくて。)
4444村さんに選ばれた作家さんが気になりますね。
2004-08-30 Mon 23:58