2004-08-22 Sun
村上春樹作品を全作品で読み返すシリーズも第6巻まで来ました。そして、第6巻は「ノルウェイの森」。この作品が村上春樹さんの作品の中で一番好きです、とは言いませんが、この作品がなければ他の作品を深く(個人的に)理解出来なかったと思います。
小学校の5、6年生の頃にやってたテレビ朝日の「花金データランド」という、その週の映画や書籍などいろんな商品の売り上げランキングを集めまくった番組で、毎週この物語の名前を聞いていました。当時も本を読むのは好きでしたが、歴史小説やシドニィ・シェルダンの「ゲームの達人」なんかを読んでました。で、当然「ノルウェイの森」も読みたかったのですが、友達に「ゲームの達人みたいな話とちゃうらしいで」(当たり前だ)と言われて「じゃあやめよう」と思ったのを鮮明に覚えています。そして、その時に読まなくて本当に良かったと、二十歳の頃に読んで本当に良かったと思いました。猿のようにギャアギャア騒ぐ事が一番楽しかったあの時代に、この物語を受け入れる事などできないです。大体そんなことできる小学生はいやです(笑)。とにかく、物語には読むべき時というのが確かにあると実感しましたね。
全作品シリーズ最大の特典である「自作を語る」ですが、今回はすごく良かったですね。春樹さんが考えていた事と、現実のギャップとか。率直に語られています。
で、この物語の感想ですが、いつものように思った事をダラダラ書いて「とにかく僕は、この物語が好きなんです」と伝えるよりも、主人公であるワタナベ君のセリフがぴったりでしょう。
寮の先輩、永沢さんに「グレート・ギャツビイ」の感想を聞かれて言います。
通して読むのは三度目だが読みかえせば読みかえすほど面白いと感じる部分が増えてくる。
まあ僕の場合は三度目なんてもんじゃないですが、何十回読んでも新たな発見があります。
あと、心に残る言葉が多すぎます。主人公のセリフや考えだけでなく、登場人物達が必死にあがきながら生きようとして(そして多くの人は打ち勝てないのですが)心からでてくる言葉の重さにマジでびびります。ちょっと大仰な言い方になりますが、一人の人間の中にこの様な物語が内包されている事に畏怖の念を隠せません。すでに少しばかりまっとうな道を踏み外している(様な気がする)僕としては、せめて「自分に同情しない」で生きていければなぁと思います。
村上春樹さんは、いい小説というのは「ふと思い出して、ページをめくってみて、気がつくと最後まで読んでしまうような小説」とどこかで言っていたと思います。村上春樹さんの小説は、僕にとってそんな小説です。
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