2006-05-22 Mon
残念ながらゴロワーズを吸ったことはありませんが、何かに凝ったり狂ったりしたことはあります。幸か不幸か、完全に狂った事はありませんが、傍から見てると「だからなんなんだ?」と言われてもしょうがない事を、大まじめにやってました。
例えば映画館で退屈な映画を見ている時、僕は左手を「フレミング左手の法則」みたいな形にして目の前にかざして、クルックルッとさせたりします。寒い季節、僕はタンカースを着込んでジーンズ(Leeは嫌いだったのでLevi'sで)にブーツで出かけます。そして両手をポケットにつっこみながら、うつむき加減で歩きます。そんなことをしていると、気分はニューヨークのタクシードライバー。世の中の不正を嘆き、幼い娼婦を更正させることや、大統領の暗殺を夢想したりします。さすがに歩きながらウィスキーを飲んだりはできませんが。
まあ他にもいろいろ真似事ばかりしていましたが、僕がBlogに書き連ねていることは、僕をそんな風に狂わせたものへの感謝の気持ち、みたいなものです。そして、それらを自分なりに見つめ直し、少しの間だけ時間を戻して、現状をリセットする。結局、僕はBlogで“自己療養へののささやかな試み”
をしているわけです。
この曲を聴いていると、自分が好きなもの、好きだったものに関するいろんな感情をぼんやりと感じることはできるんですが、はっきりと掴むことはできません。外面的な言葉は見えますが、その中身が見えない。そんな中途半端なままの気持ちをどれだけ丁寧に書いても、結局それは中途半端なものでしかありません。ゴロワーズだって短くなるまで吸わなけりゃダメなんです。中途半端に吸っても、サンジェルマン通りの近くを歩くことはできませんからね。なので結局、膨大だった文章を書き直して、その過程で見えたことだけを書いてみました。
とにかく、気が付くと何を見ても何をやっても感激しなくなっていた、なんて事にならないように、好きなことをきちんと大事にすることができる余裕みたいなものを持ち続けたいなぁ、と思います。
2006-05-22 Mon / Category - Music