2005-09-27 Tue
K-1、PRIDEに続いて、HERO'Sも旗揚げされて、格闘団体王国になった日本ですが、今まで興味を持っていなかった人も相当数の人がテレビで観戦してるんでしょうね。先日のK-1 GP開幕戦が高視聴率だったそうです。
大会当日23日の21時から23時22分まで、フジテレビ系列で放送された同大会の平均視聴率は18.2%。これは21時から23時までの時間帯の並びでは最高の視聴率だった。また瞬間最高視聴率はメーンイベント、ボブ・サップvsチェ・ホンマン戦の1R終了時に記録した27.6%だった。
僕もビデオで見ましたが…三宅アナウンサーの空回りの実況がただ悲しかったです。
サップ対ホンマンは僕もそれなりに楽しみにしていたのです。サップは好きではないですが、嫌いになれないんですよね。あの気の弱さが克服できれば、もっといいところまでいけると思います。試合前の練習のように、肩の力を抜いたキックとパンチをみてると、そんなにへたくそに見えないのですが。まあそれはいいとして、今回多くの人が見た、この巨人同士の闘い。もうただでかい男がお互いにびくつきながら殴り合っているようにしか見えませんでしたね。まったくつまらん。
でかいヤツは、強い。それはいいです。だからこそ、格闘技には細かい体重別のクラスがあるわけです。でもね、時には体重を凌駕する、すごい技を習得している人もいて、僕はそういう人同士の闘いを見たいのです。
例えば負けちゃってますけど、ホーストがサップからダウンを奪ったとき「こんなに人は強くなれるのか!」と思ったものです。しかも、美しい。
今回の巨人同士は、結局のところ生まれたまんまで勝負したも同然。お互いパンチもキックも素人以下。ただその威力は常人離れしているのでしょう。それはわかるんですが、僕が感じたのは「ただでかくて強そうな二人が殴り合ってるなぁ」だけです。こんな試合を見て、新たにK-1に興味を持つ人がいるのか疑問です。視聴率がよかったらそれでいいのかと。
先日のPRIDEの試合、ヒョードル対ミルコ。あの試合は判定でしたがとても面白かったです。よくKO決着するかしないかで、面白い試合、そうでない試合、と評価されがちですが、判定でも面白い、すごい試合はあるんだと思い出させてくれた試合でした。
K-1は石井館長を失ってから、明らかに迷走してますね。ただの格闘技ファンの谷川では、ほんとにプロの選手は発掘できないでしょう。だから「元○○チャンピオン」という肩書きの選手があふれかえっているわけです。その人たちが強いのは明白ですが、殴ったり蹴ったりする技術がないのも同じように明白なことだと思います。バカでかい体でブンブン腕を振り回し、ガードを崩せないからガードを無視して殴り続ける。それで負けるほうも悪いとも思うのですが、それはただの殴り合いです。そこに「すげぇ!」「カッケー」という感動はありません。ただただ「ははは」と笑うだけです。
今「格闘技」というジャンルにおいて、日本はとても幸福な状況にあります。この好機に、もっと感動できる試合をもっと見せてもらいたいですね。フグ対ベルナルドとか、技術を習得したもの同士がすべてを出し切って、体も動かないほどの疲労とダメージを負ってなお闘う姿と、その極限状態から繰り出された技に感動した人たちが、今の格闘技ブームを支えているんだと思います。「何だかわからないけど一回見てみるか」という人たちがとても多いこの幸運な時に、本当におもしろい試合を見せて欲しいと、切に願います。
2005-09-27 Tue / Category - Column
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