2010-12-22 Wed

毎日好きなコンサートに行けるとしたら?

「何を読もうかなぁ…」と本棚を眺めていて、ふと手に取ってぺらぺらページをめくると、しばらくそのまま立ちっぱなしで読みふけってしまう本があります。僕にとって、「そうだ、村上さんに聞いてみよう」は間違いなくその類いの本です。

この本には、今は無き村上春樹公式サイト「村上朝日堂」で交わされた、読者との膨大なやり取りの一部が掲載されています。数日前本棚整理をしていて、いつものようにこの本を読み直してしまったのですが、「おっ」となった質問がありました。116ページの「大疑問152 毎日好きなコンサートに行けるとしたら?」です。

村上さんが一週間の間、毎日一回好きなコンサートに行けるとしたら、どんなコンサートを選びますか? 入場料は全部で100万円にしましょう。

大疑問152 毎日好きなコンサートに行けるとしたら? - そうだ、村上さんに聞いてみよう

よくこんな質問思いつくなぁ、と感心してしまいます。質問されている方は、クラシックがお好きなようで、4日間はクラシック。2日間がジャズ。残り1日はビートルズでした。その中に、「エラ・フィッツジェラルドとジョーパス」のライブがあったのですが、僕もギターの先生に勧められて聴いていたので、「わぁ…」となりました。しかしこれ、今ではYouTubeで見れてしまうんですから、ほんとにすごい時代です。

これだけでも嬉しかったですが、村上春樹さんの回答にもっと嬉しいものがありました。春樹さんが一つ目に選んでいたのは、「ビックス・バイダーベックとフランキー・トランバウアーのライブ」だったのです。

ほんとに素晴らしい曲ですね…飽きません、ほんとに。

楽器を習い始めて、知らない曲の作曲者や演奏家の名前を耳にしても、「なんかどこかで聞いた事がある…」と思うことが多かったのですが、こういうところでちょこちょこ目にしていたんでしょうね。改めて村上春樹さんには感謝の念を覚えます。

で、僕なりに考えてみたのですが、100万円はともかく、7つに絞り込むのは難しいですね。あれもこれもとなるのではなくて、今のところそこまで特別な思い入れのある演奏家がいないんですね。数に制限が無ければ、それこそビックス・バイダーベックのライブは見たいですし、先生達が多大な影響を受けているエディ・ラング、カール・クレス、ジャンゴ・ラインハルトなどなど、ジャズギターの開祖達のライブは是非見たいですね。

逆に100万円は出せませんが、ある程度のお金を積んでも「見てみたいなぁ」と思うのは、Sweet Hollywaiiansの“海外での”ライブです。これまた当然のようにYouTubeでいくつかの映像を見ることができますが、やはり日本とはノリや空気が違うみたいで、猛烈に羨ましい…。観客が「自分たちの音楽」と思っているからなんですかねぇ…なんか観客として越えられない壁を感じます。Hollywaiiansの方々もやはり気合いが入っているというか、海外でのライブの方がしっくりきている感じがしますし…

たくさんある海外ライブ映像の中でも、特にお気に入りなのは、ビックス・バイダーベックの「Singin' the Blues」です。

これまた何度聴いても飽きません。原曲とは違う魅力を引き出している気がします。

それにしても僕はついていると思います。3,500円でSweet Hollywaiiansのライブを見に行くことができるわけですから…

ということで、急に宣伝臭くなりますが、年末恒例の有山じゅんじさんとSweet Hollywaiiansのライブが12月27日(月)に天神橋のdieciで開催されます。年末でバタつく時期だからこそ、いい意味でゆるい、ゆったりとした時間が流れるこのライブを見れば「まあなんとかなるかぁ」ってな感じで、気持ちを楽にしてくれると思います。

詳細は「2010-12-27 - 暮れにニヤニヤ、Slow Stringsな夜♪」をご覧ください。

2010-12-22 Wed / Category - Column

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