2005-11-09 Wed
いやいや、またK-1が、サダハルンバがやってくれましたね。
谷川貞治K-1イベントプロデューサーが「03年のサップ vs 曙以上の衝撃になる」と自信を持って送り出すボビー vs 曙のビッグマッチ。まさしく05年を締めくくるにふさわしいダイナマイト級の一戦になることは間違いない。
もうね、別にいいですけどね、選手のことを考えたら、こういうことってできないと思うんですけど。ハッスルと変わりませんよ、これ。こういうことしたいなら、PRIDEとハッスルみたいにきちんと分けるべきだと思うんですけど。
プロボクシングの元王者や世界ランカーだったトップ選手が引退後、K-1などの総合格闘技に出場した場合、「永久追放」とする処分を、西日本ボクシング協会(辻本章次会長)が検討していることが4日、明らかになった。
「プロボクシングの権威とボクサーの命を守る」のが理由で、〈流出防止策〉を取るのはプロボクシング界が初めて。
ちょっと前にこんな記事がありましたが、別にボクサーがK-1に出て負けたからといって、ボクシングの権威が落ちることは無いと思います。あくまで「K-1という格闘技のルール」で戦い、勝敗を決めているだけで、K-1の選手がボクシングルールで戦ったら違う結果になるだろうし、内容だって全然違ったものになるでしょう。総合格闘技だって、ずっとそのルールで戦ってきた選手と、そうじゃない選手なら、どっちが有利か一目瞭然です。グレイシー一族だって、今ももちろん猛烈に強いですが、皆がバーリトゥードルールと「戦い方」を理解してからは、圧倒的な優位性もなくなっています。
つまり、西日本ボクシング協会がこんなことをいい出した一番の理由は「総合やK-1において、ボクサーはかなりの高確率で負ける」と認識しているということですよね。でも選手としては、挑戦することに二の足を踏むような規制をかけられたら、それこそ真っ白な灰になれないというか、逆にボクシングに対する愛みたいなものが薄れてしまうんではないでしょうか。ちょっと言い方きついですが、団体がK-1やPRIDEから逃げてるような気がします。選手の身体を気づかっているのはわかりますが、総合の試合に出たからって選手の将来の食いぶちを潰すことは無いと思うんですけど。
プロレスやボクシングも、選手の人気だけに頼るのではなく、もっとそれ自体の魅力を伝えて欲しいですね。ハッスルだって小川が身体を張ってPRIDEのリングに公報活動しにいったわけですし、ボクサーがK-1の選手を華麗なボクシング技術でKOするところを見せれば、ボクシングの権威は保てるどころか、もっと上がるでしょう。ボクシング協会の権威は知りませんけど。
レバンナとかが口にしてますが、93年から大事に育ててきたK-1がここ数年変なことになってますよね。でかけりゃいいのかと。そりゃ強いでしょうよ。実績もあるし。でもね、K-1という格闘技とはちょっと違うような気がしてなりません。前にもちょこっと書きましたが、サップとホンマンの試合なんて、あれ、馬鹿でかい男2人がただただ殴り合ってるだけですよ(笑)。路上で見たら爆笑ものですが —って爆笑したら殺されるでしょうけど— あんなもん高い金払ってる人に見せるもんじゃないでしょう。「昔はよかった」なんて言いたくはないですけど、K-1創世記はグッとくる試合多かったですよ。体力はもちろん技術も出し尽くし、それでも戦い続ける、みたいな。こう書いちゃうとくさいですけど。アンディ・フグとマイク・ベルナルドの試合なんてむちゃくちゃかっこよかったです。武蔵のデビュー戦だってね、猛烈に燃えたもんです。いや、ほんとに。
別に次から次へと新しい選手を発掘せずとも、いい試合を見ることができれば観客は飽きません。なんかだんだん見せ物小屋になっていってますよ、K-1。曙だって必死になって頑張っているでしょうに…これで曙負けちゃったら、せっかく全日が育ててきた「プロレスラー曙」だって台なしですよ。谷川が韓国のマッチメイクにいちゃもんつけてたけど、お前が言うなと言いたい。強い弱い以前に、人を貶めるようなマッチメイクするんじゃねぇ、と。だいたい曙デビューしてから無理やりフォローし続けてきたのは誰なんだと。もっと速い段階で時期早々ってみんな思っていたわけで、もっと選手を大事にしろっつうの。こんな試合に曙勝ったところでなんのメリットも無いし。
このままだと、K-1のリングに上がるだけで「権威が落ちる」なんて言われちゃいますよ。まあ権威なんてどうでもいいですが、せっかくここまで盛り上がっている格闘技人気と、格闘技のレベルまで落とすのは勘弁してください。ほんとに。
2005-11-09 Wed / Category - Column
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