KUIDAORE JAZZ くいだおれのオモヒデ Vol.1
スウィングジャズ入門に最適

「ジャズ」という音楽を楽しみたい、と思っても一体なにから聴けばいいのかわからない……という人にぴったりな「KUIDAORE JAZZ くいだおれのオモヒデ Vol.1」が発売されております。

「くいだおれ太郎楽団」というなんとも言えないネーミング。帯には「わての楽団のCDがでけましてん。」と珍妙な大阪弁が記載されておりますが、中身はいたってまともです。ビレッジバンガードとかでガンガンかかっている、流行曲をジャズ風にアレンジしているCDとかが好きな人で「スタンダードなジャズも聴いてみたいなぁ」と思っている人にはうってつけかもしれません。

UIDAORE JAZZ くいだおれのオモヒデ Vol.1

さて、この企画CD、「くいだおれ太郎」であること差し引いても、帯や解説の言葉遣いがコテコテ過ぎると思います(笑)。大阪の人たちはこういうの辟易してると思うんですけどどうなんでしょうね。大阪人はこういうの嫌いだと思うんですけど……他府県の人が「わぁ、大阪だぁ。おもしろーい」と無邪気に喜んでくれているようにも思えませんし、企画している人だけが喜んでいるような気がします。

と音楽に関係ないところは批判したくなってしまいますが、中身は本当にかっこいいです。コテコテの大阪弁で書かれた解説は、短いですが内容の濃いコメントです。そんなこんなをひっくるめて、僕のように長年「ジャズ」を楽しみたいと思っている人には最適なSwing入門CDだと思います。

ということで、参考動画とともにご紹介。

1. I Got Rhythm

ねちっこいギターソロがクセになります。

2. After You’ve Gone

前半のゆったりした感じは郷愁を誘います。そして曲の後半ではその郷愁を振り払うような速いテンポになり大変かっこいい。テンション上がります。

3. Somebody Stole My Gal

大阪の人には吉本新喜劇でおなじみですね。解説にもあるとおり、タイトルの割にほんと能天気な曲です。

4. If I Could Be With You One Hour Tonight

しっとりとした曲で、マンドリンの切ない音色が素敵です。

5. Louisiana Fairly Tale

聴いている間に昔の良いことだけが思い出されます。

6. Sweet Sue

唯一歌声が入っていますね。この曲はいろんな人達が演奏していて結構有名だと思いますが、かなり独特です。歌っている人のギターが独特でかっこよすぎです。ちなみに解説に書かれているデイブ・アポロンのSweet SueはYouTubeで聴くことができます。普通に生きていれば存在する(していた)ことを知る事は無いであろう楽器がたくさん見れます。マンドリンかっこいい……。

7. Rose Room

くいだおれ太郎楽団のメンバー勢揃い。この曲を聴いてると、なんだかたまらない気持ちになります。切ない。

8. Solo Flight

畑ひろしさんのギターが相当猛烈かっこいいです。

9. I Can’t Give You Anything But Love

物語が始まりそうなイントロ。マンドリンの音色が素敵です。どんな物語が始まるのかと思ったら、「お金がないからなんにも愛しかあげられないわ」。そう言われても困りますが、歌にすると悪くないなと思います。歳をとってひねらない歌詞が響くようになってきました。

10. Blues Skies

異国情緒あふれる、オリエントな雰囲気に仕上がってかっこいいです。

11. Moonglow

曲名からイメージされる通り、優しい曲です。微笑んじゃいますね。ここまで聞けば、「くいだおれ太郎楽団」というコテコテの大阪感はすっきり消えて、素晴らしい音楽に浸れていると思います。

この楽団、何度かこのブログで紹介しているSweet Hollywaiiansを中心に、大阪の至宝「有山じゅんじ(ギター、歌)」、日本のチャーリー・クリスチャン「畑ひろし(ギター)」、カセットコンロスの「Kenji-low Andow(クラリネット)」、The 5 Nuts doの「Tutti(カクテルドラム)」とそうそうたるメンバーです。そりゃかっこええわ……って感じですね。

KUIDAORE JAZZ くいだおれのオモヒデ Vol.1

コテコテの大阪感溢れる企画物ですが、中身はちゃんとかっこいいのでご安心ください。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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