Kindle Paperwhite Wi-Fi(第6世代)
おもしろいけど所有欲がわかない本専用の本棚

小説を好んで読む人は、本そのものが好きだという人が多いように思います。僕もその一人なので、電子書籍に興味はありつつもなかなか手を出せませんでした。購入した人の話を聞いたり、ネットで情報収集しながら逡巡していたのですが、Kindle版限定で『キングダム』が、amazonポイント50%還元対象商品になっていたのでKindleもろとも購入してしまいました。

『キングダム』はKindle版で37巻まで発売されていました。紙の本ならあっという間に本棚の一角を占拠してしまう冊数ですが、さすが電子書籍。本棚にはなんの影響もありませんでした。おまけに全巻持ち歩いても総重量はKindleひとつ分。これは本当に良い買い物をしたと思っていたのですが、読み進めていくとだんだん不満がでてきました。

漫画特有の問題ですが、コマ割りによってはどうしても読みにくいときがあったり、見開き1ページにドーンといった感じの迫力ある画がKindleでは楽しみにくい。特に『キングダム』は戦闘や一騎打ちのシーンがたくさんあるので、その不満はなかなかのものでした。横向きにすれば見開きでも読めますが、文庫版より小さくなるのでさすがに画も字も小さく感じます。ということで、2回目はMacのKindleアプリの見開きモードで読みました。表紙や扉ページをカラーで見れて良かったです。ということで、電視書籍で漫画を読むなら、カラーで読めて画面サイズもちょうど良い、iPad miniなどのタブレットがいいのではないかなと感じています。
最大の不満点は紙の本よりも発売が数ヶ月遅れることです。次の38巻はKindle版で購入しましたが、39巻は待ちきれず紙の本を購入しました。多少の値引きがありますが、その程度であれば値段は紙と同じにして発売日も合わせてくれた方が嬉しいですね。ということで、Kindleは漫画を読むには最適なデバイスでは無いというのが結論です。

では小説などの字がメインの作品はどうかというと、これは大変満足しています。長時間読んでもPCのモニタやスマートフォンをずっと眺めているときに感じる目の痛みを感じることはありません。とはいえ、紙の本をずっと読んでいると疲れてくるように、Kindleだってずっと読んでると疲れます。疲れ方が紙の本とほぼ同じということですね。ということで、小説やエッセイなどは紙の本とKindleに大きな違いはないと思います。

ただ、Kindleに限らず電子書籍は貸し借りすることができません。これは……早急になんとかして欲しい。アメリカではそういうこともできるみたいな記事も目にしますが、少なくとも日本ではまだまだ実現されそうにありません。なのでおもしろい本ほど紙の本が欲しくなるし、必要になります。ということで、所有欲が湧き出るおもしろい本は結局紙の本も購入することが多いです。

そんなこんなで一番Kindleを活用できる方法は、古本屋で買った本を裁断してスキャナで読み込み電子書籍化することかなと思います。これだとどのデバイスでも読めますし、バックアップも簡単。一番安心で便利な電子書籍データです。昔読んでもう一回読み直したいけど、本棚におくまでもないかな、というポジションの本なんかにはうってつけです。

3ヶ月ほどKindleを使ってみた結論として、「買って損はしないし便利な使い方もあるけれど、誰かに強く勧めるほどではない」といった感じでしょうか。強く勧められるようになるための要望はいろいろありますが、まずは電子書籍の貸し借りですね。これがあればもうちょっと普及するんじゃないかなと思います。

Kindle Paperwhite(第6世代)

ものを買うタイミングって難しいですが、結局「買いたい時が買い時」なんだと思います。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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