BOOX Leaf
E inkで目に優しい電子書籍専用タブレット

紙の本のページをめくる「パラッ」というかすかな音と、自分で作る間。これは電子書籍では(まだ)味わえない感覚だと思う。だから僕は、電子書籍よりも紙の本で読むのが断然好きだ。でも、本棚の拡張が限界に近いこともあり、最近は何度も読み直さないであろう本、例えば雑誌やちょっと気になる作品は、電子書籍で購入するようになってしまった。

僕が所有している電子書籍リーダーはKindle Fire HD 8Kindle Paperwhite。Fire HDはちょびっといじってKindle以外のアプリも使えるようにしている。液晶のFire HDで本を読むと、紙の本で読むよりも目が疲れる。E inkのPaperwhiteはそんなに疲れない。でも、PaperwhiteはAmazonで購入したものしか読めない。電子書籍はどこで買おうが好みの端末で読めるようにするべきだ!と憤ったところでそんな状況にはならないだろうし、思い切ってE inkのタブレット「BOOX Leaf」を購入した。

「BOOX Leaf」と「専用マグネティックケース」
雑誌『狩猟生活 VOL.7』の表紙。カラーイラストもきれいに白黒で表示してくれる。

使用感

画面の大きさは文庫本より少し大きく、文字を読むのにはちょうどいい感じ。漫画や雑誌を見開きで読むにはちょっと小さい。見開きにするとBOOX Leafを縦に2台並べて読みたくなる。倍の大きさで折り畳めたら最高な気がする。

初期設定はちょっと面食らった。付属の説明書をよく読めば解決する程度だけど、ささっと設定完了はできない感じ。より読みやすく、より使いやすくするために試行錯誤中。メニューの一部の日本語がちょっとおかしかったりするけれど意味不明なことはないので、自分に馴染む設定がそのうち見つかると思う。各種設定を自分の好みにするまでは描画の遅さにイラつくと思うけれど、読みたい本を読んでいる間はストレスなく使える。

「BOOX Leaf」と「iPhone 12 mini」「Kindle Fire HD 8」「iPhone12 mini」の大きさ比較
左上から「Fire HD 8」「Paperwhite(第6世代)」「iPhone12 mini」「BOOX Leaf」。「BOOX Leaf」の見開き使用時は「iPhone12 mini」を並べた感じに近い。寒色と暖色個別に色味の調整ができるので、より目に優しい設定を模索中。

不満な点

Paperwhiteと同じく、もしくはそれ以上に、読書中以外の画面描画の遅さは本当にイラつく。覚悟していても、ムカつく。今のところE inkでは避けられないことなんだろうけど、機能を確認したり設定を変更していると何度かため息をついてしまう程度には、遅い。めちゃ遅い。特に文字入力に対する反応が遅すぎて、「……反応してない?」と思ってしばらくして画面が切り替わるというのが頻繁に起こる。僕はイラチなので幾分過剰にイラついている可能性はあるけれど、それでも。

もうひとつ無視できないイラつきが、「ジャンプ+」「コミックDAYS」などのアプリで発生するページめくりのもたつき。アプリの問題というか、広告や最新情報を表示するため頻繁にネットワークで情報を取得して描画し直していることが原因な気がする。専用ケースの物理ボタンでページめくりができないのも面倒。

あとはSDカードが使えないのは使い続ける不満が出てくると思う。内臓で32GBあるとはいえ電子書籍は増える一方だし。

「BOOX Leaf」の写真表示
写真には期待はしていなかったけれど、十分認識できる再現度。(雑誌『狩猟生活 VOL.7』より)

こんな機能があったらな

初期設定で有効にされている、ダブルタップでホーム画面に戻ったり、タップすればいろんなショートカットが表示されるランチャーみたいな「ナビボール」。画面のどこにでも置けてあると便利なんだけど、常時表示されているので本を読んでいる時はどこに置いても目障りなので、ジェスチャーで表示非表示できるようにして欲しい。今はヘッダーをタップして表示させる簡易メニューにオンオフボタンを追加しているけれど、物理ボタン近くでオンオフを切り替えられたら多分きっともっと快適になる。

あとこれは多分不可能なことなんだろうけど、「書庫」に各アプリの本をまとめて表示して欲しい。どうもこれはPDFや自作した電子書籍などをまとめるフォルダみたいなものらしく、購入した本はなにも表示されない。ここに持っている電子書籍を一覧できるようになればとても気分がよくなるような気がする。

買ってよかったか?

僕がBOOX Leafに求めたのは、Kindle以外のストアで購入した電子書籍をE inkで読むこと。それに関しては問題ない。「買うのを迷っていた時間がもったいなかったな」と思うぐらいは満足している。読むのを躊躇していた本も購入する踏ん切りがついた。よかったよかった。

ちなみにAndroidなので、Googleストアを有効にすればいろんなアプリが使える。大抵のものは動くはずだ。快適に使えるとは思えないけれど。とはいえ、普通のタブレットの代替として購入を検討している人には、絶対にお薦めしない。「BOOX Leaf」はあくまで電子書籍リーダー専用機だと思う。

追記(2022年8月24日)

購入してから何度かファームウェアのアップデートがあった。いつ追加されたのかはわからないけれど、音量ボタンの長押しで残像の消去ができるようになって、残像にイライラすることがなくなった。未だある不満は画面サイズ。このサイズで漫画を見開きで読むのはぎりぎり可能といった感じ。さすがにちょっと目が疲れる。文字主体の本を読むには最適なんだけど。

BOOX Leaf

期待通り目に優しいし、見た目も悪くない。テンションが上がるような物ではないけれど、わりと満足している。あとは長持ちしてくれることを願うのみ。

購入時の価格 ¥32,800

マグネティックケース

専用ケースというか、専用カバー。別に要らないと思っていたけれど、カバーや入れ物を探す手間が面倒なので購入。物理ボタンには期待していなかったけれど、とても便利。SKTNETSHOPで本体と同時購入すれば定価の半額で購入できるし、それが一番お得なはず。

購入時の価格 ¥2,900

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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