理想のガンスリングを求めて
工夫の結晶「UnslingIt」

追記:
気がついたら公式サイトも動画も見れなくなって、テキストだけでは使い方がよく分からなくなっていた。残念。いずれ画像なり追加したい。

大物猟に挑戦し始めて、鉄砲を肩に掛けて山を歩くようになった。そして、スリングが重要な道具の一つになった。でも、しっくりくるスリングがなかなか見つからない。原因は、僕の生粋のなで肩。
長さを瞬時に変えたり、クッション性が高かったり、便利なスリングはたくさんあるのに、どんなスリングも性能を発揮する前にずり落ちる。

なで肩はどうにもできないので、ずり落ち防止ストッパーを取り付けてそれなりに満足していたところ、「UnslingIt」なるものを発見した。

仕組みはとてもシンプル。コブがある短い部品「コネクター」を、スイベルと逆方向に取り付ける。途中にいくつか輪っかがある「ハーネス」を、ショルダーストラップに取り付ける。ハーネスの輪っかにコブを通して、抜けないように締め付ければ完成。
とてもシンプルで安上がり。“工夫の末に行き着いた”という感じがとても良い。

僕は両肩ではなく、右肩に2本のUnslingItを付けている。こうすれば今まで通り脇に挟んだ状態で、両手を自由にできる。左右にもほとんど揺れない。
一旦小脇に抱えてから腕を抜き、銃を背中に回せば普通のスリングと同じ様な状態になる。しかも両手フリー。獲物の引き出しをした時にも小脇に抱えていたら何度か銃身が頭に当たってめちゃめちゃ痛かったけれど、これなら大丈夫。
開発者のおっちゃんも同じように使っているみたいだ。

以前アジャスターバックルで、同じようなことをしていたけれど(着脱はバックルの方がスムーズ)、バックルは着脱時に音が出るし、銃口側のバックルがスコープの邪魔になることがあったのでやめてしまった。
UnslingItは着脱時に音はしないし、スコープと干渉しないように留め具側の長さとコブの大きさを調整できる。
ちなみに銃の重さで常に輪っかを絞る力が加わっているので、「ストッパーを締め忘れて不意に抜けてしまった」なんてことには、多分ならない。この状態ならハーネスを引っ張れば簡単に取り外せる。

「UnslingIt」使用例
こんな風に留め具で締め付けていない状態でも、なかなか抜けない。とは言え見た目は不安。(撮影のために通常より低い位置で固定)

忍び猟をしていると今にも獲物を発見しそう(な気分)になって、立ち止まって周囲を伺うことがある(発見したことは無い)。そういう状況ではすぐ据銃できるようにしたい。
この時、銃口寄りの接続を外して銃床側はつけたままにすれば、両手とハーネスで銃を保持できるので、負担が軽くなる。3本目の手が銃床を支えてくれている感じ。これがなかなか便利。

ようやく理想のスリングに出会えたと思いつつ、ちょっと悔しい気分でもある。
スリングについて試行錯誤しているときに、このおっちゃんと同じようにバックパックを活用すればいいのではないかと、僕も考えたのだ。
でも、こんなにシンプルで使い回しが効く方法は思いつかなかった。いや、実際に手を動かして試行錯誤していれば、同じような結論に至った気がするのだ。でも、手を動かさなかった。生粋の工夫貧乏として、それが悔しい。

ということでまずは自作して使い心地を試してみた。とても満足しているけれど、不満は見た目。コネクターが銃のかっこよさを確実に損なう。そして、なんといっても貧乏くさい。貧乏くささと便利な工夫は切り離せないのかもしれない。作り直すときは高価なパラコードでやってみようと思う。少しは貧乏くささが緩和されるかもしれない。
UnslingItの考え方はとても性に合っているので、次の猟期までにもうちょっと見た目をなんとかしたいと思いつつ、これだけ便利なら貧乏くさくても良いかなとも思い始めている。

Youriad パラコード 4mm 9芯 耐荷重250kg

狩猟を始めた年に購入して、双眼鏡のハーネスなどいろんなことに使ってきたけど、一番役に立っているのがUnslingitシステム。

購入時の価格 ¥799

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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