車なしで狩猟をする場合のあれやこれや
車がなくても狩猟は楽しめるけれど

日常生活で車を必要としていないので、今まで車を所有したことがないし、所有したいと思ったこともなかった。狩猟に興味を持って初めて車が必要な状況になったけれど、自分が狩猟を楽しめるのかさっぱりわからない。獲物を仕留めると同時に、「自分には向いてないな……」と感じて狩猟生活を終了する可能性もあるので、車なしで狩猟を始めることした。結果、車なしでも狩猟はできたし、楽しめた。でも、ずっと猟果がなかったので、「車がなくても狩猟はできるし、楽しいですよ」とは言えなかった。
2期目になんとか猟果を得られたので、知識も経験もまだまだ全然足りないけれど、車なしで狩猟を始める時に疑問に思ったことと、現在の状況をまとめてみた。

出猟に使用している自転車

移動手段

自宅付近に猟場があるなら自転車やバイクも候補に上がると思うけれど、そんな羨ましい環境に住んでいる人は、「車なしで狩猟できるのか?」なんて疑問を持たないと思う。ということで、都市部で生活している人は電車一択になる。どんな大都会でも小1時間電車に乗れば、猟場となる地域までは移動できると思う。

猟場に到着してからは自転車を利用。自転車なしでもできなくはないけれど、移動に時間がかかるし、範囲も狭すぎるので、さすがに厳しいと思う。
ちなみにバイクは原チャリであれ中型であれ、あまり荷物を積めなさそうなので、猟場までの距離次第かなと思う。

自転車の種類

輪行するのでママチャリはさすがに無理。小径タイヤの折り畳み自転車でもできると思うけど、移動距離もあるし坂道が多いので(猟場によるけど)、クロスバイクがいいと思うし、僕もそうしている。舗装されていない道が多いならマウンテンバイクもいいかもしれない。
クロスバイクには前かごがないので、持っていく荷物や捕った獲物を前後に積めるような備品を付けている。

リクセン&カウル ヴァリオラック KF873

自分が使っているリュックなど、大抵のものをハンドルに取り付けられるようになるのでとても便利。

購入時の価格 ¥6,545

リクセン&カウル フロントアタッチメント KF810

「ヴァリオラック」をハンドルに取り付けるために必要な部品。

購入時の価格 ¥1,931

イベラ PakRakツーリングリアキャリア

荷台兼泥除けとして使用。しかし泥除け効果は期待したほどではなかった。獲物が取れた時はこれにクーラーバッグを積んでいる。

購入時の価格 ¥3,099

狩猟対象

自分一人で運べる重さ、大きさであれば狩猟対象になり得る。僕はカルガモ、コガモしか獲ったことがないけれど、ヌートリアなどの小型哺乳類も多分大丈夫。
大変な力持ちで大きなリュックをいくつも担げる体力がある人なら、大物猟だってできなくはないかもしれない。
とはいえ罠猟師さんにいただいたシカの両モモ肉(約6kg)でも、自転車と電車で運ぶのは大変だったので、獲った時のことを考えると大物猟をするなら車は必須になると思う。

猟場探し

猟場の選定と下見」にも書いたとおり、Google Mapとハンターマップを駆使すれば猟場候補の拠点となる駅は見つけられるはず。いくつか候補を見つけたら、最寄駅からアクセスしやすい駅に行ってみて、周辺を歩いて自分の目で見て猟場にできそうか、判断すればいい。
ちなみ猟場の下見は車の有る無しに関わらず猟果に直結するので、できる限りやっておいた方がいい。

射撃練習

狩猟は電車と自転車でなんとかなるけれど、射撃場の多くはアクセスがかなり悪いので、こればっかりは車かバイクなどを用意する必要があると思う。僕はカーシェアを利用していたけれど、慣れない運転で山道に入るので、射撃練習の度にけっこうヘトヘトになっていた。

荷物

2回の猟期を経て、持って行くものはほぼ固まったけれど、まだ試行錯誤中。苦しいとまでは言わないけれど、決して楽ではない重さ。所持許可証や財布、貴重品、ペレットはボディバッグに入れて、無くしたり、ひったくられないようにしている。詳細は「電車と自転車で狩猟する場合の持ち物」に書いたので、ご興味があれば。
電車に限らず、公共交通機関を利用する場合は、獲物が捕れたときのこと想定して、匂いや体液が周囲に漏れないように準備する必要がある。

服装

電車内は適温に保たれているし、猟場では自転車で移動しまくるので、あまり着込んでしまうと後悔することになる。寒くなりそうな日は収納できるダウンジャケットを持って行くと良い。とはいえもちろん、服装は猟場に合わせるのが大前提。僕の場合はちょっとアウトドア寄りの普段着という感じに落ち着いた。

これまた猟場の状況次第だけど、靴はちゃんと選んだ方がいい。僕は山の中に池に行くことも多いので、しっかりめの登山靴を履いている。山の中に入らなくても、池の周囲は急な坂になっていたり、ぬかるんでいることも多いので、スニーカーはさすがに危険。街中でゴツい靴を履きたくないなら、手荷物にして猟場で履き替えてもいいかもしれない。

車なしのメリット

残念ながらなんにもない。「……と言いたいところだけれど」と言いたいところだけれど、悔しいことにメリットは本当にない。狩猟を楽しむなら車があった方が絶対にいい。
強いて挙げれば、行き帰りの電車内はとても楽。とはいえ、銃を持っているので眠れないし、自転車を運んでいたら周囲に気を使う。本を読めるのはありがたいけれど、内容によっては睡魔に襲われることもあるので注意が必要。
……やっぱり強いて挙げる程のメリットは無い。

繰り返しになるけれど、狩猟をするなら車はあった方が絶対にいい。でも、狩猟を始めるには車以外にも色々とお金がかかるので、予算が厳しかったり、狩猟を続けられるかわからない場合、車は後回しにしてもなんとかなる。
「自分は100%狩猟を楽しめるし、続けていく」と確信している人は、悩むことなく車を用意した方がいいと思う。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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