電車と自転車で狩猟する場合の持ち物
より軽く、より快適な狩猟環境をめざして

出猟時に持っていきたい便利な道具はたくさんある。でも、車なしで狩猟する場合、可能な限り荷物は減らしたい。最初の頃はあれもこれも必要に思えたので、リュックはパンパンに膨れ上がっていた。2期目になってそれなりの経験を積み、獲物も仕留めることができたので、絶対に必要なものと、無くてもなんとかなるものがわかってきた。おかげで、2期目が終わる頃にはかなり身軽になることができた。

絶対に必要なものは、「狩猟者登録証」「狩猟者記章(バッジ)」「銃の所持許可証」「銃と弾(ペレット)」。極端な話、これさえあれば狩猟行為はできる。でも、仕留めた獲物を肩から担いで電車に乗ることはできないし、ちゃんと持って帰って食べることまで考えると、これぐらいの荷物は持って行かないと不安。

出猟時に持って行く道具の一部
一部写っていないものもあるけれど、概ねこれぐらいの荷物。所持許可証やモバイルバッテリーなど濡れたら困るものは、シップロックに入れている。右上のKindleは行き帰りの電車で読書するためで、狩猟に使っているわけではない。

クーラーバッグ(キャプテンスタッグ ソフトクーラーバッグ15L)

獲った獲物は人目に触れないように運ばないといけないので、コンパクトに折りたためて簡単に破れず、中も見えないクーラーバッグが最適。獲物が捕れたら一刻も早く冷却したいので、クーラーバッグには保冷剤を詰め込んでいる。残念ながら保冷剤を活用できたのは2回だけ。
このクーラーバッグは一般的なサイズのリュックに収納可能で、使い勝手もいい。ギンギラの方が保冷効果は高いみたいだけど、やっぱり目立つので今度買うときは地味な色目のものにすると思う。

購入時の価格 ¥936

使い捨てゴム手袋(ニトリルグローブ Lサイズ 100枚入)

腸抜きや解体をしないとしても、獲物を掴むときはゴム手袋をした方が良い。傷口から雑菌が入るかもしれないし、野生生物に触れる時は直接接触するのは避けて、丁寧に、慎重になるべきだと思う。
手術用の手袋っぽいけれど、十分ゆとりがあるので締め付けられる感じはしない。

購入時の価格 ¥702

モーラナイフ コンパニオン

ナイフ類は腸抜きや解体をするときはもちろん、半矢の獲物の止め刺しにも必要。

購入時の価格 ¥2,052

貝印 メス刃カッター

獲物が鳥だけならメス刃カッターで十分だし、おすすめ。

購入時の価格 ¥728

双眼鏡(QUNSE-X21 8倍32口径)

どんなに視力が良くても、双眼鏡は絶対に必要。遠くをはっきりと見るためだけでなく、近距離のボサに隠れているカモやキジも見つけやすくなる。
この価格帯の双眼鏡は同じようなものがたくさんある。多分、元は同じなので、一番安いところで買って、あとは運次第。初期不良さえなければ使える。ただ、光学機器はやっぱり値段に比例するので、次はもうちょっとコンパクトで明るいものが欲しい。

参考:
双眼鏡 QUNSE-X21(8倍32口径) — 鳥猟には必要十分な性能
双眼鏡 Kowa YF30-6 – 視界が広く明るくなる倍率

購入時の価格 ¥3,399

レンジファインダー(SW-600A)

目測で距離を測れるとかっこいいと思い、ずっと持とうとしなかったけれど、距離計を使ってみたら自分の目測の不確かさに愕然。ある程度経験を積めば不要になるかもしれないけれど、距離に確信を持てないと自信を持って撃てないので、これから狩猟を始めるという人は絶対に持っていた方がいい。
最安値の価格帯の商品だけど、距離を測るだけなら大きな誤差は出ていないので十分だと感じている。

購入時の価格 ¥8,900

回収道具(コンパクト延べ竿 ノベルドA)

自分の身体だけで回収できる範囲なんてたかが知れているので、どんな簡易なものでも回収道具はあった方が良い。回収できる範囲が広がれば、獲物を狙える範囲も広がる。
近距離用として3.6mの延べ竿にフック状の針金を取り付けたもの、遠距離用として壊れた釣竿と自作カモキャッチャーの組み合わせを用意している。
この延べ竿は、初めて仕留めたカルガモを問題なく回収してくれた。3.6m先はすぐそこにあるように思えるけど、結構遠い。かなりコンパクトになるのでこれからも活躍してくれそう。ちなみにテナガエビ釣りなど小物ならちゃんと釣竿として使える。

購入時の価格 ¥817

スコップ(VARGO チタニウム ディグディグツール T-471)

鳥猟で出る残滓程度なら十分。多分お腹の緊急事態のときも十分。幸いまだどちらの用途でも使っていない。

購入時の価格 ¥3,000

熊撃退スプレー 中型 B-609

ツキノワグマやイノシシに遭遇することはもちろん、やっかいな人に絡まれる可能性も恐れているので、護身グッズとして銃を持ち出すときは必ず持っている。
この熊スプレーはツキノワグマやイノシシなど中型の獣に有効なもので、ヒグマ(本州にはいませんが)などの大型の獣には通用しない。その代わり、人に使っても大丈夫。
幸い獣にも人にも使ったことはない。

モバイルバッテリー(Anker PowerCore 10000)

スマホやタブレットは現在位置の確認はもちろん、狩猟に役立つ情報を確認することができるので、使用頻度は高い。なので、モバイルバッテリーがあると安心。ちょっと重いけれど、狩猟や釣りではなにがあるかわからないので、必ず携帯している。
ちなみにハンターマップはGoogle Earthを使ってスマホアプリのジオグラフィカに読み込んで使用している。ハンターマップ上で現在位置を確認できるのは、めちゃくちゃ便利。

購入時の価格 ¥2,599

虫除けスプレー

真冬とはいえ自然のなかにいる時間が長いので、マダニにも有効な虫除けスプレーを使用している。猟場によっては不要かもしれないけれど、僕は虫全般がとても苦手なので、お守りみたいなものになっている。虫だらけ、ヒルだらけの渓流釣りでは必須。

購入時の価格 ¥691

自転車のメンテナンス道具

空気が抜けたりパンクした時のために、コンパクトな空気入れと交換チューブは用意している。チューブは結構重たいので、空気入れで応急処置できない場合は歩くと覚悟を決めて、来期は持って行かないつもり。

衛生用品など

キッチンペーパーや新聞紙は、獲物をくるんだり腸抜きした後に詰め込んだりできるし、濡れたものをざっと拭いたり、持っているとなにかと便利。キッチンペーパーは嵩張るので、芯を抜いてペタンコにしている。
人の助けを求められない場所に行くことになるので、絆創膏や消毒用のアルコールスプレー、痛み止めなど、怪我をしたり気分が悪くなった時の備えも必要。

最初の頃は長靴や雨具も用意していたが、使用頻度が低いので持って行かなくなった。その代わり、長靴が必要になるような場所には行かないようになったし、降水確率が高い日は出猟しないようにしている。狩猟中に雨の気配を感じたら、すぐに狩猟を中断して濡れない場所に移動している。
車がない場合でも、こんな感じで持てる道具に合わせて猟場の選定をすれば、快適に狩猟を楽しむことはできる。猟果に繋がるかは、また別のお話だけど。

What’s so bad about feeling good?

Update:

Text by pushman

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